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相続放棄と限定承認にまつわる失敗

相続放棄と限定承認 失敗事例1

親が亡くなり、相続人は妻と子供2人でした。父親は持ち家に妻と二人で住んでおり、500万円の預金と父親受取人の生命保険金3000万円が相続財産でした。

子供たちも自立していましたので、話し合いの結果母親(妻)に全部遺産はあげようということになったのですが、その方法がトラブルの原因でした。

子供たちは、母親に遺産を全部あげるために相続放棄の方法をとってしまったのです。

確かに、場合によっては相続放棄をすることで放棄しない他の相続人に全部遺産を相続させることはできます。今回の場合でいうと、他の相続人が母親一人であれば子供たちは相続放棄してもよかったのです。

しかし、今回の場合にはそうではありませんでした。父親には兄弟が3人いたのです。これが大きなトラブルのもとでした。法定相続人という民法の規定がありますが、相続が発生したときに相続人となれる人は、配偶者(この場合では妻2分の1)と子(この場合では長男と次男) なのですが、子が全員相続を放棄した場合には、次の候補である親が相続人になり、親が既に亡くなっている場合には最後の候補である兄弟姉妹が相続人となる のです。

この場合には、長男と次男が相続を放棄したことにより、妻と父親の兄弟が相続人となるのです(父親の親はすでに亡くなっています)。父の兄弟は自分たちが相続人になったことを知ったとたんに遺産分割を要求してきました。

結局、父の兄弟の法定相続分の2000万円を生命保険金からまかなう羽目になってしまいました。母親のためにわざわざ相続放棄の手続きをとったにも関わらず、全く異なる結果を生じさせてしまいました。

これも専門家に任せずに自分だけで相続放棄ができると判断して行動した結果です。

どんなカタチでも一度は専門家に相談してみると良いと思います。

遺産分割協議にまつわる失敗事例

遺産分割協議 失敗事例1

≪遺産分割後、共有持分を売買する≫

両親の残した自宅を兄の健太さん(仮名)と妹の佐代子さん(仮名)が相続し、現在は健太さん一家が住んでいます。相続した時の持分割合は健太さんが4分の3、佐代子さんが4分の1です が、数年後、自宅の老朽化に伴い、建替えを検討することに。しかし、土地が佐代子さんとの共有のままでは、抵当権の設定に佐代子さんの承諾が必要となることが判明 したのです。結局、健太さんは佐代子さんの土地持分を1000万円で買い取ることになりました。

その結果、

健太さんの負担……土地購入代金1000万円、不動産取得税、登録免許税

佐代子さんの負担……土地売却に伴う譲渡税(原価5%と考えると190万円)

の経費が発生しました。

佐代子さんは兄弟の間ですから「もっと安くてもいい」という気持ちでしたが、兄弟間の売買の場合は、時価で売買しないと贈与税がかかってくる恐れがあるということで時価による売買となりました。

遺産分割協議 失敗事例2

≪納税などの関係で、遺産分割を急いでしまう≫

孝さん(仮名)の亡くなったお父さんは、住居と土地、駐車場、賃貸住宅とその土地という合計3つの不動産を残していました。それらを相続したのは、妻(孝さんのお母さん)と子供3人(孝さん、壮太さん、太一さん)です。それらの土地には、面積や立地条件に若干の違いがあったことと、相続税の納税の関係で分割を急いだ結果、すべての土地建物を各相続人が4分の1ずつ共有することで遺産分割しました。

後日、賃貸住宅の建替えを機に遺産分割のやり直しをすることになり、法律的には問題がなかったものの、税務上の問題が起きる可能性があったため、 結果的には「固定資産の交換の特例」による持分の交換で対処することになったのです。また、子供3人に対して土地持分の取得に伴う不動産取得税と登録免許 税、さらには交換した土地に評価の差があるため、差額分に対して贈与税がかかってしまいました。

 
「とりあえず共有しておこう」は後で悔いを残すことに

この二つのケースは、兄弟・親子間ということもあって、ごく自然な成り行きでとりあえず共有して遺産分割した例です。ところが、建替え問題等が後になって発生して、本来払わなくてもいい税金が余計にかかってしまったのです。

二つの事例の対処法として、ケース1では、土地を健太さんが、金融資産を佐代子さんが相続しておけば、土地購入に伴う不動産取得税と登録免許税はかかりませんでした。その際、土地評価額と金融資産の差額を「代償分割」することで、後日の手続きも必要なかったと考えられます。

ケース2では、居宅の土地には孝さんの家族と両親の二世帯が建っていた前提もあり、孝さんのお母さんと孝さんが住宅と土地を相続し、残りの子二人は別々に駐車場と賃貸住宅の土地・建物を相続しておけば良かったと考えられます。

このように、急な相続発生で気持ちも動転して「とりあえず共有しておこう」と遺産分割してしまうのは、将来のことを考えるとやや早計かもしれません。兄弟姉妹は仲がよくても、時間の経過とともに状況が変化することもあります。

やはり、当初から相続に精通している司法書士に相談して、後に悔いを残さない対策をとっておくことがポイントのようです。不動産の遺産分割の共有には、より慎重に対応するのが賢明と言えるでしょう。

遺言にまつわる失敗事例

遺言 失敗事例1

真山さん(仮名)は、子供のうちの一人と同居していました。同居している子供は、ほかの子供たちが真山さんに会ったり、旅行や買い物に連れて行くことに対して、ヒステリックに拒絶し、『会うときは子どもである自分を通さなければいけない』と言ってききませんでした。

少し極端ですが、親思いの良い子供だと他の兄弟は思っていました。しかしほかの子供たちは、ご本人が亡くなってから会わせない理由が分かったのです。同居していた子供に全財産を相続させる自筆証書遺言が作成されており、親が新たに遺言を作成するのを阻止するためだったのです。

ほかの子供たちは、遺産調査や遺留分減殺請求に多大な労力を強いられることになりました…。

このように、なんらかの予兆や独り占めなどを考えているような相続人がいる場合には、専門家に相談して進めないとたいていの場合に平穏に相続は終了しません。

結局は、この兄弟も不仲になってしまい、この先長い人生で、ずっとお互いを恨まなくてはいけなくなってしまいます。こんな不幸なことはほかにありません。

早い段階で、専門的知識のある司法書士などに相談するのが一番良いと思います。

相続税にまつわる失敗事例

相続税 失敗事例1(節税)

夫の死後、財産調査の結果、地下鉄駅近くの一等地に広い土地を所有していたことが判明しました。そしてそこには妻名義の賃貸マンションが建っていました。一般的には地代の支払いが発生しますが、夫の土地ということで地代の支払いはなし。いわゆる「使用貸借(私に無償で土地を貸している)」 状態でした。

しかし土地を無償で貸していたため、貸宅地とは認められませんでした。そのことによって、数億円の5~6割の評価減を受けることが出来ませんでした。 もし私に地代の支払いをしていれば、 高額な相続税を支払う必要などなかったのに……。

このケース、妻が地代を私に支払うことで、土地の評価額が約半分になり節税対策になったわけですが、実際に借地としての契約をしておらず、借地料の授受も行っていませんでした。当然、相続税の節税対策にはなりませんでした……。

やはり、自分で勝手に判断してはいけません。専門家に一度意見を聞くようにしましょう!

相続税 失敗事例2

藤田さんは、父が亡くなったので、父が商売をしてきた関係で長年お世話になっている顧問税理士に相続税の申告をお願いしました。 今までの父の確定申告をしてきて、財産もある程度分かっており、一番適切な判断をしてくれるはずと考えての判断でした。

そうこうしているうちに、 藤田さんは、この税理士に言われるがままに書類を準備し、その結果8,000万円の相続税を支払うことになってしまいました。

あまりの大きい額にびっくりした藤田さんはどこかおかしいのでは勘ぐり、学生時代の同級生高野さん(税理士)に相談してみました。

すると、あまりにも大ざっぱな土地評価で、相続財産が1億も過大評価されていることが判明しました。

その時は、既に相続税の申告期限10ヶ月が過ぎてしまっていたが、申告期限から1年以内であったので、税務署に「更正の請求」をして処理しました。

しかし、申告は期限内にしたものの、期限後に納付したため、延滞税を負担するとともに、税理士への報酬も2人分程度かかってしまいました。

なお、後で分かったことですが、この税理士は2~3年に1度くらいしか相続税の申告をしておらず、相続に関してはあまり得意ではなかったようです。

顧問税理士に安易にお願いした藤田さんの大失敗となってしまった。

成年後見制度にまつわる失敗事例

成年後見人制度 失敗事例1

山田さんは認知症と診断されました。山田さんには2人の子(孝さん・良介さん)がいますが、これまでは良介さん夫婦が財産管理を行ってきました。
相談者はこの良介さんです。その内容は、孝さんが良介さんが財産管理することに反対している上、山田さんの財産を狙っているので、専門家に保佐人(財産管理などをする役目)となってもらって対応したいとのこと。

山田さんは、マンション等の経営を行っており、月100万円近い収入がある。しかしながら、その収入が全て残っていないことから、良介さんに詳しく聞いたところ、実は良介さん夫婦が使ってしまったという話でした。

これまで6年間も財産を預かってきたということであるので、その額は数千万円にふくれあがります。おそらく、その辺のところを孝さんにも攻められ、思い立ったのが成年後見制度の利用だったのでしょう。使い込みをうまくごまかせるとでも思ったのでしょうか。

兄弟間でも親子間でも使い込みなどが発生して、仲違いに発展することが非常に多いのです。成年後見の専門家で、相続の専門家でもある司法書士に後見人になってもらうのがよいとおもいます。

成年後見人制度 失敗事例2

母1人子1人の家庭のお話です。山田さん(母)の判断能力は正常です。しかし、最近健康を害し入院しなければならなくなりました。

娘の良子さん海外留学中。そこで出てきたのが山田さんの兄、浩太さんでした。

山田さんが自分で入院費等の支払いができない状態なので、任意後見契約を締結し、浩太さんが山田さんの財産を預かることになりました。

財産管理の報酬は月10万円で、その上、山田さんの病状が悪化すると、ほとんどの財産を受け取れるような遺言を書かせました。

良子さんは母親が入院したことは知っていましたが、重い病状であることや、任意後見契約まで締結しなければならないということまで知らされていませんでした。

間もなく山田さんが亡くなり、良子さんが帰国して、遺産を確認してみるとほとんどなくなっていました。
 

このように家族親族ですと、財産管理が非常に甘くなりやすく、結果、血縁関係にある親族間、兄弟間などで争うことになり、非常につらい思いをしなくてはならないのです。

このようにならないためには、成年後見の専門家であり、第三者の司法書士に成年後見をお願いすることも検討するべきだと思います。

生前贈贈与にまつわる失敗事例

生前贈与 失敗事例1

私(高野)の兄、洋介は妻子と長年別居しており、近所に住む姉の雅子と私が洋介の生活を面倒見ていましたので、妻子には相続させず、雅子と私に遺産を相続させたいと生前話しておりました。

しかし、洋介は遺言を残すことなく、他界してしまいました。そして、遺言がないばっかりに、私と雅子は洋介の遺産を相続することなく、洋介が財産を渡したくないと考えていた妻や子供に全ての遺産が渡ってしまいました。

遺産分割協議後、専門家に話を聞くと、「妻子の遺留分が存在するので、遺産全部を渡さないことは不可能だが、遺言に一言『雅子と私にも相続をさせる旨』を記しておけば、遺贈という形式で遺産は相続できました。」と話してくれました。

この話を聞き、相続して欲しい人に相続させられず、相続させたくない人に財産が渡ってしまい、洋介がかわいそうでなりません。私は洋介に遺言を書かせなかったことを心から後悔しています。

生前贈与 失敗事例2

生前贈与される財産の配分に不公平さを感じています。私は2人兄弟の弟にあたり、兄は12歳上になります。両親は、父親が亡くなり、母親は健在です。母親の死後に兄弟で財産争いにもめないようにと生前贈与を進めてきたのですが、兄が仕切っているため、私の配分が極端に不均等であると感じています。また、母親は兄と同居しているため兄のいいなりです。兄は「1/4しか財産をやらない」と言い出しており、母親もこれに納得済の状態で、私の意見は全く聞き入れてもらえません。

そのため、現在でも会話もできず顔も見たくない状況です。

兄弟間、親族間の憎しみはその後の人生において大きな影を落とし、禍根を残します。
 
司法書士などの専門家に怠惰に入ってもらって、まるく収める方法をさがしましょう。

生命保険を活用する

納税(資金)対策

相続税は金銭で一括納付をすることが原則になっています。
 
不動産やその他の動産で納付することは条件付きとなりますし、売却して金銭に換価することも本望ではないことが多いでしょう。
 
そういったときに、よく対策として使われるのが「終身保険」です。
保障が一生続くため、死亡時に必ず保険金が受け取れ、現金が手元に残るのです。
 
とは言え、相続税額は一般的に高額です。
 
それだけで支払えるような保障額の保険に加入しようとすると、保険料も高額になってしまいます。
 
その対策として、保険期間を長くした「定期保険」や「定期付終身保険」が利用されることが多いようです。

生命保険を活用するメリット

 

1)受け取る死亡保険金には非課税枠があります

契約者、被保険者が同一人で、死亡保険金受取人が法定相続人の場合、受け取った保険金は「みなし相続財産」として、相続税の課税対象となります。
 
そのうち法定相続人数×500万円が非課税になります。
 
例えば、夫が死亡して妻が2,000万円の保険金を受け取った場合、子供が2人いたとすると、法定相続人3人×500万円=1,500万円が非課税となり、残りの500万円が他の相続財産と合算され、課税対象となります。
 

2)加入と同時に納税対策ができます

保険に加入したのと同時に資金が準備できることになります。
銀行預金などの積立とは大きく異なる部分です。
 

3)保険金受取時まで課税は発生しません

生命保険の配当金は、受け取った保険金と一緒に相続財産として扱われ、契約途中で課税されることがありません。
 
一方で、銀行預金で利息に20%の源泉徴収がされてしまいます。
 

4)現金で受け取れます

相続税は、原則として発生から10ヶ月以内に金銭で納付しなければなりません。
 
もし不動産などの固定資産だけを相続したような場合、売却して資金を調達することも少なくないようです。
 
保険金はもちろん現金として受け取れるので、固定資産の売却をせずに済むかもしれません。
 
もちろん、相続税の納付には、延納や物納という方法もありますが、利子もかかる上、手続が面倒です。
 
なお、固定資産に全く手をつけずに相続税納付を行いたいのであれば、受け取る死亡保険金にかかる相続税分も計算に入れて、保障額(保険金額)を決める必要があります。

現物分割に生命保険を利用する

遺産の大半が不動産だという場合、相続人が数人居れば、家を分割するわけにもいきません。
現実的にはよく発生するケースで、このときに生命保険を上手に使うことが出来ます。
 
この場合不動産は遺言で一人に遺贈し、他の人を生命保険の受取人に指定して、その死亡保険金を分配することで帳尻を合わせられるのです。
 
ただし、保険金額は遺留分の額以上にしておくことが大事です。

代償分割に生命保険を利用する

商売をしている場合、遺産分割すると商売ができなくなってしまうということがあります。
 
このような場合、「代償分割」という方法が使われます。
 
「代償分割」とは、相続人の一人が財産を受ける代わりに、他の相続人には相当の金銭や別の資産をその代償として支払うというものです。
 
この場合、代償分割の支払いのための資金を生命保険で準備することが出来ます。
 
財産を受ける人を死亡保険金受取人に指定しておけば、一度受け取った保険金を他の人に支払うことができます。
 
同族会社などの場合、株式の多くを社長が持っているケースが多いようです。
 
また、会社を子供に継がせたいと希望している経営者も多いようです。
 
こういった場合、社長が死亡して保有していた株式を会社の経営に関係のない、後継者以外の相続人に分割すると、その後それらの相続人から会社に対して自社株の買い取り請求を受け、経営を圧迫するといった事態にもなりかねません。
 
会社経営を安定的に承継するためには、後継者一人に自社株を相続させることが必要です。
 
そこで、生命保険を活用した遺産分割対策が有効になるのです。

節税対策

安全に相続税を節税する対策については、大きく分けて2つの柱があります。
 
1つ目は、生前贈与を中心とした相続税の節税のための対策になります。
 
2つ目は、相続税の納税資金を確保していこうと考えていく対策です。
 
もちろん、他にも方法はありますが、時代の流れや、制度によって変わるものが多くあるため、その都度ご紹介したいと思います。

生前贈与によって相続税を節税する

他のページでも触れていますが、生前贈与をすることで、相続時に発生する相続税そのものを減らしていこうと考えていく方法です。
 
これをしておくと、当然、相続発生後の財産が減ることになりますから、相続税評価総額が減額され、結果として納めるべき相続税が減るというものです。
 
具体的には、相続人に保険料を毎年贈与し、その資金で子供が契約者となって契約することにより相続財産の事前移転をします。
 
そのためには「贈与事実」の心証が得られるものを確実に残しておくことに注意しましょう。
 
・毎年、「贈与契約書」を作成し、保存する
・贈与税申告書を保存する
・110万円以上の贈与をして、毎年申告書を提出し、納税する
・贈与者は生命保険料控除を活用しない
・その他、贈与の事実を認定できるもの 
 
受贈者専用の預金口座から保険料の支払をし、通帳・印鑑の保管は受贈者がする以上のほかにも、ケースによって注意することがありますので、活用については生命保険会社などにご相談下さい。
 
※なお、3年以内の贈与は相続財産に含まれるため、贈与効果はありません。

生命保険を使って納税金を準備する

これは納めるべき相続税を確保していこうと考えていく対策です。
 
相続税を不動産などの資産を処分せずに一括で現金で支払えるように、生命保険金を利用して納税のための資金を準備できるようにするのが、このタイプの対策です。
 
具体的には、被相続人の加入している生命保険の受取人を相続人にしておけば、相続人には死亡保険金が入ってきますので相続税を支払うことができます。
 
さらに、生命保険金の場合、500万円に法定相続人の数を乗じた金額は相続税がかからないことになります(生命保険の非課税限度額といいます)。
 
保険契約者および被保険者を相続人として、保険料負担者を被相続人とする契約であれば、相続が開始したときに生命保険契約に関する権利を相続人が引き継ぐことになります。
 
生命保険契約に関する権利に対しては、相続開始まで支払っていた保険料に対して相続税が課税されることになりますが、その評価は支払済み保険料の70%から保険金額の2%を差し引いた額が評価額となります。
 
なお、その権利自体は相続人が引き継いでいくことになりますが、それまでに支払っていた分に関してはかなりの節税効果が期待できます。
 
相続税対策は、自分の置かれている状況を正確に判断し、どの相続税の対策が状況に合っているかを見極めて、実行していただきたいと思います。

相続税の納税資金の考慮

相続対策でこれまでよく採用された方法に、無理な借金により、貸しマンションやアパートの建築をして財産評価額を下げるという方法があります。
 
この方法には一定のリスクが伴い、納付する相続税額を節税する対策は危険だと言う専門家も少なくありません。
 
そういう意味では、財産評価額を下げる対策ではなく、納税資金に換価できる資産、不動産を用意することによる、納税資金準備対策が重要でしょう。
 
換金性を高めた資産などを生前から準備しておき、相続発生後に直ちに換金することで相続税を納付しようとするものです。
 
特に換金しにくい不動産等を換金化しやすいような資産構成に代えておくことが代表的です。
 
例えば、すぐに売却できるような更地で持っておくこと、その間有効な活用をすることが挙げられます。
 
注意点は、相続税課税時点において、納税義務者(特に奥様などの配偶者)に、換金性の高い資金が分配されるような配慮を、遺言書で記載しておくことです。
 
資産を残す側が、困りがちなケースを想定して、最低限やっておかなければならないことと言えるでしょう。
 
というのも、換金性の高い資産でも、保有している土地取引に時間がかかってしまうことが多く、譲渡所得税等の発生もあるからです。 物納する場合も物件自体が物納要件を満たしていることが求められ、更に認可手続に時間がかかります。
 
しかも、物納認可が下りないといったケースもあり、これは大きなリスクです。
 
そこで、相続税の納税のための資金準備をしておく必要性が発生するのです。

納税資金が足りない場合の対策

納税資金対策として、よくご提案させていただいている方法をご紹介します。
 
短期的なものとしては、
 
1)銀行から借入する
2)死亡退職金・弔慰金を活用
3)相続資産の売却
4)納税資金の生前贈与
5)延納・物納を利用する
 
があります。
 
ただし、短期的というのは、狙ってそうするのではなく、結果的にその必要性があったということが大半です。
 
出来る限り計画的に、長期的な視野で取り組まれることをお薦めします。
長期的な対策として、計画的に取り組めることの代表例を挙げると、
 
1)生命保険に加入する
2)土地活用により賃貸収入を得る
3)賃貸用不動産を譲渡する
 
どれも専門家にアドバイスを求めた方が無難な対策です。
信頼できるアドバイザーを探しましょう。

納税資金の過不足分析

必要となる納税資金に対して、相続財産と相続人所有の金融資産(現預金・生命保険金・上場有価証券等)がいくら準備できるかを試算し、相続税を支払う能力があるかチェックすることが出来ます。
 
不足していれば、対策が必要でしょう。
 
一般に、相続税の支払能力の判定は、
 
納税資金÷相続税×100
 
で求めます。
 
この比率が100%よりも小さければ小さいほど対策が必要です。
 
納税資金の不足を解消するためには、
 
(1)節税対策により相続税額を軽減すること
(2)納税資金対策により資金を増やすこと
 
の両面からのアプローチが必要です。
 
納税資金対策では「生命保険」の上手な活用が最も有用です。
 
終身保険の有期払いで加入すれば、確実に死亡保険金を相続税の納税資金に充当できます。
 
支払保険料は相続税の分割前払いと考えることもできます。
 
これにより、所有土地等を譲渡または物納することなく、相続税の納税を完結させることもできます。

負担付死因贈与契約

贈与する人と、贈与を受ける人との合意内容を契約で交わすのが死因贈与契約です。
 
贈与する方の意向を、贈与を受ける方は合意しているとみなされますので、贈与した方が亡くなった後、その意向を放棄することが出来ないのが特徴です。
 
これに対して、実は遺言書は執行者を付けたとしても、相続人全員が遺言書に反する内容で協議し、合意した場合、無理矢理実行させることは出来ません。
 
もし、意思を確実に実現したい場合は、死因贈与契約も有効と言えます。
さらに「負担付」というのは、贈与をする方が、贈与を受ける方に、何らかの義務・負担を強いることです。
 
贈与を受けた方は、相続が発生するまで、その義務・負担を全うし、利益を受けるということになります。
 
具体的には、”今後の身の回りの世話を続けて欲しい””同居して面倒を見て欲しい”といったケースが多く、遺言書よりも実行度合が強く、成年後見よりも自由度が高いという意味で、使い勝手の良い制度になっています。

負担付死因贈与契約の注意点

死因贈与の手続きにおいて、注意をしなければならないのは、契約内容の実行に疑問が発生したり、相続人間でトラブルが出ないようにしておくことです
 
契約内容を明確に記載しておくことが大切で、
 
■贈与の対象資産
■負担の内容
 
が特に重要です。
 
資産が不動産の場合は、登記簿の記載に従って正確に記載しましょう。
また、預貯金は「銀行名」「口座の種類・番号・名義人」を明示します。
死因贈与契約も遺言書と同様に、執行者を指名することが可能です。
 
通常、死因贈与契約の内容は、他の相続人と利害が対立することが多いため、司法書士などの専門家を指定しておけば、執行が確実に進められることでしょう。

負担付死因贈与契約に、公正証書を利用する

死因贈与契約というのは、一般的な贈与契約と同じ類のものであり、書面になっていないと、贈与をする方が撤回することが可能です。
 
贈与を受ける場合、負担をするわけですから、撤回されないために書面にしておくことが大切です。
ちなみに、死因贈与という存在が法的にあるわけではありません。
 
言葉として定着しつつありますが、一般的な贈与に「贈与者の死亡により、その効力が生じる」という条件合意が付いているだけです。
 
贈与契約書には公正証書を利用するのが最も安全かつ確実と言えるでしょう。

負担付死因贈与契約の取り消し

負担付死因贈与の取り消しについては、その負担が履行されたかどうかで、大きく違ってきます。
まず、負担が履行されていない場合、遺贈の取り消しの規定により、取り消すことが可能です。
 
また、負担のない死因贈与契約の場合は、これもいつでも取り消すことが可能です。
しかし、負担が全部または一部履行された場合は、原則として取り消すことができません。
 
ただし、取り消すことがやむをえない「特段の事情」があれば、遺贈の規定により取り消すことができます。
 

死因贈与契約の特徴を端的に整理すると、

◇贈与を受ける人の承諾が必要
◇契約とともに権利義務が発生する
◇原則として取り消し・一方的な破棄は不可
 
となります。
 
遺言書における遺贈とは異なる法律行為です。
 
贈与する方が亡くなった場合、効力が発生するのですが、ご自身の財産を処分することになりますので、意思が明確であることが条件になるでしょう。
 
書面がしっかり作成されていれば、贈与を受ける人も承諾しているため、遺贈よりも実行性に優れていると言われているのです。
 
ただし、遺言書と同じように、遺留分減殺請求の行使は受ける可能性があります。
遺留分を考慮した設計が必要となるでしょう。

夫婦間の贈与

夫婦間の贈与の特例は、一定の条件を満たせば、2,110万円まで贈与税が発生しないという配偶者控除が受けられるものです。
 
婚姻期間が20年以上の夫婦で、贈与の対象が居住用不動産であること以外に、いくつか条件があります。

特例を受けるための適用要件

夫婦間贈与における配偶者控除を受けるためには、以下の条件を満たすことが必要です。
 
1)夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと
 
2)配偶者から贈与された財産が、自分が住むための国内の居住用不動産であること
または国内の居住用不動産を取得するための金銭であること
 
3)贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した国内の居住用不動産、または贈与を受けた金銭で取得した国内の居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること。
 
※配偶者控除は同じ配偶者の間では一生に一度しか適用を受けることができません。

適用を受けるための手続

以下の書類を添付して、贈与税の申告をすることが必要となります。
 
1)財産の贈与を受けた日から、
10日を経過した日以後に作成された戸籍謄本又は抄本
 
2)財産の贈与を受けた日から、
10日を経過した日以後に作成された戸籍の附票の写し
 
3)居住用不動産の登記簿謄本又は抄本
 
4)その居住用不動産に住んだ日以後に作成された住民票の写し
 
ただし、戸籍の附票の写しに記載されている住所が居住用不動産の所在場所である場合には、住民票の写しの添付は不要です。

配偶者控除の対象となる居住用不動産の範囲

贈与する居住用不動産にも、ある程度の条件が求められます。
 
■贈与を受けた夫や妻が住むための国内の家屋、またはその家屋の敷地であること(居住用家屋の敷地には借地権も含む)
 
■居住用家屋とその敷地は一括して贈与を受ける必要はなく、居住用家屋だけや居住用家屋の敷地だけの贈与を受けることも可能。
 
この居住用家屋の敷地だけの贈与を受けるときには、その家屋の所有者が次のいずれかに当てはまることが必要です。
 
(ア)夫または妻が居住用家屋を所有していること
(イ)夫または妻と同居する親族が居住用家屋を所有していること
 
※敷地の贈与を受ける場合には敷地の一部の贈与を受けることができます。
 
※居住用家屋の敷地が借地権のときに金銭の贈与を受けて、地主から底地を購入する場合も認められます。

不動産価格の算定

1)建物に関しては、市区町村で発行される固定資産評価証明書の価格を基準とします。
 
2)土地に関しては、路線価から算出された価格を基準とします。

住宅取得資金の特例

平成15年1月1日から平成21年12月31日までの間に20歳以上である子が親から住宅取得等資金の贈与を受け、その資金を贈与を受けた翌年3月15日までに、相続時精算課税選択の特例の一定の家屋の取得又は一定の増改築に充てて、その家屋を同日までに居住の用に供するか又は同日後遅滞なく居住の用に供したとします。
その場合には、相続時精算課税を選択することができ、2500万円の相続時精算課税の特別控除額のほかに、1000万円の住宅資金特別控除額を控除することができます。

贈与を受ける人の条件

・住宅取得等資金の贈与者の直系卑属である推定相続人であること
 
・住宅取得等資金の贈与を受けた年の1月1日において20歳以上の者であること
 
・贈与者の無制限納税義務者であること

贈与をする人の条件

・贈与を受ける人の父母、または祖父母のいずれかであること
 
・贈与者の年齢要件はありません。
※夫婦でそれぞれが贈与を受けることも可能です。

取得する住宅の条件

床面積が50平方メートル以上であること
 
・購入する家屋が中古の場合は、家屋の構造によって制限があります。
ⅰ.マンション等の耐火建築物の場合は、その家屋の取得に日以前25年以内に建築されたものであること。
ⅱ.耐火建築物以外の建物の場合は、その家屋の取得の日以前20年以内に建築されたものであること。
ただし、平成17年4月1日以後に取得する中古住宅の内、一定の耐震基準を満たすものについては、建築年数の制限はありません。
 
・床面積の1/2以上に相当する部分が専ら居住用であること
 
※贈与税額の計算(暦年課税)の特例平成17年12月31日までに、両親などから家を建てる目的の資金を贈与してもらった場合、贈与税が軽減されます。
贈与税が非課税となる金額も60万円から年間110万円、5年間で550万円に増額され、不況の現在も軽減が計画されているようです。
 
昔は、初めての家づくりを応援するものでしたが、ここ最近は買い替え、建て替え、増改築(工事費1,000万円以上または床面積が50平米以上増加するもの)でも、上記の特例が使われるようになっています。
 
つまり、550万円までの贈与であれば、住宅取得資金であれば税金がかかりないということになります。
この贈与の特例を受けるために、「贈与を受ける入の条件」「贈与をする人の条件」「取得する住宅の条件」をクリアする必要があります。
また、確定甲告と同時に申告する必要があります。

贈与を受ける人の条件

・贈与を受けた年の合計所得金額が1200万円(給与所得の場合は約1442万円)以下
・贈与を受ける前5年以内に贈与を受ける本人、またはその配偶者の所有する住宅に住んだことがないこと
・以前にこの特例を受けたことがないこと
・金銭の贈与を受けた翌年の3月15日までに新築して居住すること

贈与をする人の条件

・贈与を受ける人の父母、または祖父母のいずれかであること
※夫婦でそれぞれが贈与を受けることも可能です。

取得する住宅の条件

・床面積が50平方メートル以上であること
・店舗などの併用住宅の場合は床面積の1/2以上が居住用であること

特例を受けたときの贈与税額

贈与額通常の贈与額特例を受けた場合の贈与額
100万円0円0円
300万円21万円0円
550万円84万5000円0円
1000万円260万5000円45万円
1500万円505万円105万円
2000万円714万5000円260万円

暦年贈与と連年贈与

贈与税というのは、もともと相続税の補完として位置づけられていたため、相続税よりも税率が高く、有効な手段ではないと勘違いしている人多いようです。
 
確かに税率は高いのですが、年110万円の基礎控除があり、年数をかければ、節税の効果も出て来るのです。
 
例えば、子供が二人いて、20年かけて、限度額の110万円まで贈与を毎年すれば、4,400万円までの財産は税金がかからないのです。
 
とは言え、最初から4,400万円の贈与をする意図と税務署にみなされると、初年度に4,400万円全額の課税がされるため、注意が必要です。
 
これを「連年贈与」と呼びますが、贈与税は税率が高いので、多額の税額が課されてしまいます。

連年贈与とみなされないためには

先述のように、ある程度年数をかけて贈与をしていく場合、連年贈与認定を避けるようにしなければなりません。
そのためには下記のことを注意して、進める必要があります。
 
・最も典型的なのが、110万円を超える贈与をして敢えて贈与税申告をする
 
贈与契約書を贈与の都度作成する
 
贈与を受ける方ご本人の口座に振り込むなどの方法により記録を残す
 
毎年違う時期に、毎年違う金額違う種類の財産で贈与を行う等、単発の贈与であることを強調する。

相続税と贈与税の税率の差額を利用する

より財産が多い方、贈与に年数をかけられない方は、年110万円の贈与では、物足りないと思われるかもしれません。
 
例えば、相続税の税率が50%と予想されるような場合に、年間500万円の贈与を行うと贈与税は約50万円で実質10%の税負担となります。
つまり、相続まで待てば50%もの相続税がかかるところを、生前贈与により10%の贈与税の負担で済ませてしまうことができるのです。
 
もちろん、事前に税理士に試算してもらった上で、実際の贈与額・贈与を行う年数等は、資産の内容、現金の有無、キャッシュフロー等を勘案して、個別に考えていかなくてはなりません。

財産管理人契約

財産管理委任契約とは

財産管理委任契約の特徴は、
 
○当事者間の合意のみで効力が生じる
○内容を自由に定めることが出来る

 
ということでしょう。

財産管理委任契約と成年後見制度の違い

判断能力の減退があった場合に利用できるのが成年後見であり、財産管理委任契約は特にその制限がない点が大きな違いです。
 
また、裁判所が間に入ることなく、当事者間で自由に設計出来る点も異なる部分でしょう。
 
すぐに管理を始めなければならない場合、判断能力が徐々に低下するその前から管理を継続させたい場合、死後の処理も依頼したい場合などに有効な手段といえます。

財産管理委任契約のメリット

・判断能力が不十分とはいえない場合でも利用できる
 
・開始時期や内容を自由に決められる
 
・本人の判断能力が減退しても、契約は当然に終了せず、特約で死後の処理を委任することも可能

財産管理委任契約のデメリット

・任意後見契約と異なり、公正証書が作成されるわけではなく、後見登記もされないため、社会的信用が十分とはいえない
 
・任意後見制度における任意後見監督人のような公的監督者がいないため、委任された人をチェックすることが難しい
 
・成年後見制度のような取消権はない
 
以上のことをしっかりとおさえたうえで、財産管理委任契約の判断をしましょう。

後見人の選び方

後見人はどのように選べばよいか

法定後見の場合、後見人は家庭裁判所が選任します。
 
しかし、後見開始審判の申立書には、後見人の候補者を記載する欄があり、ここに候補を記載しておけば考慮してもらえます。
ただし、家庭裁判所の家事調査官が調査して、相続関係等から不相当であるとの判断がされると、候補が記載されていても別途選任されます。
 
候補が記載されていないときは、家庭裁判所が司法書士などから適任者を探して、選任します。
 
また、後見開始の審判申立書に書く候補者を誰にするべきかについては、人によって考えが異なります。
 
過去の例では、子供や兄弟、配偶者等の親族がなることが多いようです。
 
理想的なのは、
 
○お金に関して絶対の信頼をおける方
○面倒見の良い方
○近所で生活している方
○本人より若い方
 
でしょう。
  

最近は、身上監護は親族、財産管理は司法書士が担当するという「共同後見」や、法人自体を後見人にする「法人後見」が増えてきつつあります。
 
財産管理が中心になる場合は、第三者が客観的な立場で管理した方が望ましい場合も多いのでしょう。
 
また、相続人が複数存在する場合も、共同後見として、話し合いで後見事務を行うのがよい場合もあります。
 
任意後見の場合は法定後見の場合と異なり、自分で自由に後見人の候補者(任意後見受任者)を選任することができます。
 
ただし、以下の人は欠格事由に該当しますので、後見人にはなれません。
 
1)未成年者
2)家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人、補助人
3)破産者
4)行方の知れない者
5)本人に対して訴訟をした者、その配偶者及び直系血族
6)不正な行為、著しい不行跡その他任意後見人の任務に適しない事由がある者
 
身上監護が中心であれば、親族や社会福祉士等の方がきめの細かい後見ができるかも知れませんが、財産管理が中心であれば司法書士の方が適切な管理ができるかもしれません。
 
注意をしなければならないのは、後見人にも将来何があるか分からないことです。
平均寿命が長くなっている現状を考えると、最も安心なのは、信頼できる法人を後見人にする「法人後見」だと思われます。
 
現在法人後見をしている機関としては、日本司法書士連合会が設立した(社)成年後見センター・リーガルサポートがあります。

任意後見制度とは

任意後見制度とは、本人が契約の締結に必要な判断能力を有している間に、将来自己の判断能力が不十分になったときの後見事務の内容と、後見する「任意後見人」を、公正証書で決めておく制度です。
 
なお、任意後見制度での家庭裁判所の関与は、本人があらかじめ選任しておいた任意後見人を、家庭裁判所が選任した任意後見監督人を通じて監督するにとどまります。
 
この際、任意後見監督人は本人が選んだ任意後見人がきちんと仕事をしているかチェックします。
 
なお、任意後見契約においては任意後見人を誰にするか、どこまでの後見事務を委任するかは話し合いで自由に決めることができます。
 
上記の内容を公証人役場で公正証書を作成する必要があります。

任意後見のメリット

・成年後見等の法定後見制度のように今現在、本人に判断能力の低下がなくても利用することができること
 
・契約内容が登記されるので任意後見人の地位が公的に証明されること
 
・家庭裁判所で任意後見監督人が選出されるので、任意後見人の仕事ぶりをチェックできること
 
などの良いところがあります。

任意後見のデメリット

・法定後見制度のような当然取消権がない
 
良い点悪い点をしっかりとおさえて、任意後見をするかしないかの判断をすることをお勧めします。
 
また、「見守り契約」+「任意代理契約」+「任意後見契約」+「死後事務委任契約」等の組み合わせで、より本人の希望に沿ったものが提案できる場合もあります。

成年後見制度の種類

成年後見制度とは、判断能力が不十分なために、財産侵害を受けたり、人間としての尊厳が損なわれたりすることがないように、法律面や生活面で支援する身近な仕組みです。
 
成年後見制度には、
 
(1)任意後見制度
(2)法定後見制度
 
があります。

(1)任意後見制度

将来、自分の判断能力が衰えたときにそなえて、あらかじめ支援者(任意後見人)を選んでおきます。
 
将来の財産や身のまわりのことなどについて、「こうしてほしい」と、具体的な自分の希望を支援者に頼んでおくことができます。「任意」という意味は、「自分で決める」ということです。
 
万一のときに、「誰に」、「どんなことを頼むか」を「自分自身で決める」しくみなのです。
 
任意後見人は複数でもかまいませんし、リーガルサポートなどの法人もなることができます。

(2)法定後見制度

すでに判断能力が衰えている方のために、家庭裁判所が適切な支援者を選び制度です。
選ばれた支援者は、本人の希望を尊重しながら、財産管理や身のまわりのお手伝いをします。
 
本人の判断能力の程度に応じて、次の3つのタイプにわけられます。
 
●補助/判断能力が不十分である
 
●保佐/判断能力が著しく不十分である
 
●後見/ほとんど判断することができない

遺言を作っておくべき人

これから遺言についてご説明していきますが,次のようなケースに当てはまる場合,その方は遺言を作成しておくべきです。
 
■ お子様のいないご夫婦の場合  
■ 子供達で遺産分割協議をするのが難しいと思われる場合
■ お孫さんや内縁の配偶者にも相続させたい場合
■ 親族が誰もいらっしゃらない場合
 
これらのケースを一つずつで詳しく見ていきたいと思います。

お子様のいないご夫婦の場合

このケースの場合,ご夫婦のどちらかが亡くなると,まず残された配偶者が相続人になります。(このケースに限らず,配偶者は常に相続人になります。)
 
ご夫婦にはお子様がいないので,残された配偶者と同じく相続人になる可能性があるのは,故人(被相続人)の両親です。
(ちなみに、自分よりも先の世代にある者を尊属といい、後の世代にある者を卑属といいます。)
 
通常、故人がある程度の年齢(70~80歳)に達していれば,そのご両親もそれなりの年齢のはずですから,既に死亡しているケースが多いのです。
両親が既に死亡している場合は,更にもう一つ上の世代である故人(被相続人)の祖父母が相続人になりますが,当然、年齢はご両親よりももっと高いはずですから,死亡している確率は非常に高く、相続人になる可能性はもっと低くなります。
 
したがって,故人がある程度の年齢に達していた場合、故人のご両親又は祖父母が相続人になる可能性は現実的にはかなり低いといえます。
 
そして、ここからが大きな問題なのです。
 
子供も尊属の方も死亡している場合,残された配偶者と故人の兄弟姉妹が相続人となります。
この場合,残された配偶者と故人の兄弟姉妹で遺産分割協議を行い、誰が何を相続するのかを話し合って決める必要があります。
 
この時点で,残された配偶者がすべての遺産を相続しようと思えば,兄弟姉妹から遺産を相続しない旨(相続放棄等)の書面に署名と実印による押印が必要になります。
 
それができなければ,不動産や預貯金の名義を配偶者に変更することはできません。故人の兄弟姉妹が協力的な方ばかりとは限りません。
 
むしろ、経済情勢は未曾有の大不況ですから、兄弟姉妹が経済的に困窮している可能性は十分にあります。
主張できる権利があり、自分に少しでも財産が入るようなチャンスが目の前にあれば、欲しくなって当然といえます。
 
残された配偶者が,『相続放棄してください』などと義理の兄弟姉妹を説得する相当に難しいのが現実です。
 
さらに,兄弟姉妹が死亡している場合,その子供(故人から見れば甥・姪)が相続人になる可能性も十分にあります。こうなると面識のない人が含まれ、残された配偶者に,このような方々とも遺産分割の協議をさせて,すべての遺産を相続させるのは至難の業でしょう。
 
しかし、配偶者にすべての遺産を相続させる旨の遺言を作成しておけば,問題はありません。遺留分(相続人固有の権利)という遺言によっても完全には奪えない遺産の保障が,故人の兄弟姉妹にはありませんから,配偶者にすべて相続させたからといって,後で誰からも文句を言われることはありません。
 
残される配偶者の生活を守るためにすべての遺産を配偶者に相続させてあげたいとお考えなら,夫,妻にかかわらず,絶対に遺言を作成しておくべきです。

ケース2 子供達で遺産分割協議をするのが難しいと思われる場合

故人が遺言書を遺しておかなかった場合,ケース1と同様,相続人はどのように遺産を分割して誰が相続するのか協議(遺産分割協議)して決めることになります。
 
私共が相談を受ける案件の中には,相続人である子供達不仲で,協議することが難しいというケースが非常に多いのです。
配偶者や周りの親族が干渉してきて,その結果、感情的にエスカレートして,兄弟姉妹間でも骨肉の争いになることは珍しいことではありません。
 
このようなケースに接する度に,親御さんが遺言を作っておけば,子供達同士が憎しみあうような事態は避けられたと思います。
多くのケースで、親が遺言を作っておけば,子供達は渋々ですが、その遺言に従うのです。
 
しかし、遺言がなく,遺産分割協議がまとまらない場合には,家庭裁判所による調停又は審判に委ねられます。
 
こうして、弁護士(紛争解決の専門家)に依頼する場合,ケースによって異なりますが,相続人1人につき約100万円単位の費用がかかることも珍しくないそうです。精神的にも、肉体的にも、金銭的にもデメリットしかありません。やはり、遺言は作成しておくべきです。

孫や世話になった内縁の妻、夫にも相続させたい場合

自分が死亡した時に,子供達だけでなく,目に入れても痛くないお孫さん達にも、将来のために財産を遺してあげたいという場合もでてくると思います。
 
ただし、お孫さんが相続人になるのは,子供が先に死亡している場合に限られます。
それ以外の場合は相続人ではないので,自分が死亡した後にお孫さんに財産を遺すには,遺言によって相続させるという方法が最も望ましいのです。
 
また,内縁の妻や夫の場合も同様です。
籍を入れていなければ,法律上の配偶者ではないため,相続人にはなることはできせん。
長年連れ添って、世話をしてくれた方にも財産を遺し,その生活を守ってあげたいという場合は,遺言によって相続させるという方法が望ましいです。

相続人が誰もいらっしゃらない場合

相続人が誰もいない場合は特別縁故者(とくべつえんこしゃ)に該当者がいなければ,最終的には故人の財産は国に帰属することになります。
 
この特別縁故者とは,一緒に暮らしていた方や身の回りの世話や看護をしてくれた方などが該当する可能性がありますが,自身で家庭裁判所に申し立てを行い,さらに家庭裁判所から認可されなければならない使いにくい制度なのです。
 
私たちは日常の業務を通じて、『遺言さえを作成しておけばこんなことにはならなかったのに・・・』というケースに何度も遭遇しています。
 
このような悲しい思いをもう誰にも経験して欲しくないのです。
 
是非、お気軽にご相談下さい。徹底的にサポートいたします。

遺言の検認と執行

遺言書の検認(遺言書が見つかったら)

相続が開始し遺言書が見つかったら、どのようにして遺言が実現されていくのでしょうか?
 
公正証書遺言は公証人役場に保管されているので相続開始後すぐに適用されますが、それ以外の遺言書はすぐに見つけられない場合もあります。
 
いずれにしろ遺言は見つかった時点で速やかに、家庭裁判所へ持っていくことになっています。
 
家庭裁判所では相続人の立会いのもと遺言書が開封され、検認されます。
検認とは、遺言書の形式や状態を調査して、その結果を検認調書という公認文書にしてもらうことです。
 
公正証書遺言は公証人に作成してもらった時点で公文書扱いとなりますから、検認の必要はありません。
 
検認を受ける前に未開封の遺言書を開封し、偽造、改ざんすることは法律違反で、厳重に処罰されることになっています。
 
遺言そのものが無効になることはありませんが、相続人に刑事罰である過料が科せられるなど、相続欠格として相続権を失うこともあるのです。

遺言所が2通以上見つかったら

もし遺言書が二通以上見つかった場合は、一番新しく書かれた遺言書が適用されます。
検認を受ける前に未開封の遺言書を開封し、偽造、改ざんすることは法律違反で、厳重に処罰されることになっています。
 
日付は記載されているはずですが、開封することはできないので、見つかった遺言書はすべて家庭裁判所に持ち込むことになります。
 
遺言書をなかなか見つけてもらえず、発見されたときは遺産分割が終わっていた、というケースもまれにあります。

 
遺言の内容が遺産分割の内容と違っていた場合は、侵害を受けたと知った相続人が相続回復請求権を行使することになります。
相続回復請求権によって遺産は遺言どおり再分割されます。

遺言執行

遺言の検認が終わると、いよいよ遺言内容を実現させることになります。
 
遺言書を実現するにはさまざまな手続きがあり、遺言ではそれを執行する遺言執行者を指定できることになっています。
 
遺言執行者は必ずしも想定しておくものではありませんが、不動産の登記の申請や引渡しの手続き、不動産を遺贈するなど、遺言執行者がいなければ実現できないこともあります。
 
遺言ではそうした遺言執行者を指定したり、第三者に指定を委託したりすることができるのです。
遺言執行者の指定は遺言の中だけで認められていて、生前の取り決めは無効になります。
 
職務が複雑になると予想される時は遺言執行者を複数名指定しておくことも可能です。
また、遺言で指定を受けた人が遺言執行者を辞退することも認められています。
 
遺言に指定がなかったときは相続人や利害関係人が家庭裁判所で選任の請求を行います。
 
遺言執行者は誰がなってもかまいませんが、法律の知識を要するので、司法書士などの法律専門家に依頼するのが通常です。
 
遺言執行者は選任を受けると早速遺言の実行にかかります。

遺言の実行手順

1)遺言者の財産目録を作る

財産を証明する登記簿、権利書などをそろえて財産目録を作り、相続人に提示します。
 

2)相続人の相続割合、遺産の分配を実行する

遺言に沿った相続割合の指定をして、実際に遺産を分配します。登記申請や金銭の取立てをします。
 

3)相続財産の不法占有者に対して明け渡しや、移転の請求をする

 

4)遺贈受遺者に遺産を引き渡す

相続人以外に財産を遺贈したいという希望が遺言書にある場合は、その配分・指定にしたがって遺産を引き渡します。
その際、所有権移転の登記申請も行います。
 

5)認知の届出をする

認知の遺言があるときは、戸籍の届出をします。
 

6)相続人廃除、廃除の取り消しを家庭裁判所に申し立てる

遺言執行者はこのような職務をこなしていかなければなりません。
調査、執行内容は相続人に報告していく義務がありますが、執行がすむまではすべての財産の持ち出しを差し止める権限を持っています。
 
相続人は、遺言執行の職務を終了したとき、それに応じた報酬を遺言執行者に支払います。
 
その報酬額は遺言でも指定できますが、家庭裁判所で定めることもできます。

手続の依頼(専門家に依頼するには?)

遺言執行など複雑な手続きの処理をまかせるなら、やはり専門知識をもった司法書士にその職務を依頼することが望ましいです。

司法書士へは自筆証書遺言を作成するときの指導を頼んだり、公正証書作成を依頼したりできます。

遺言書の保管

遺言は書面で書くことになっていますが、遺言によって自らの意思を実現するためには、その遺言書を相続人に見つけてもらわなければなりません。
 
発見してもらえなければ、せっかく作成した遺言は何の法的効力も持ちません。
 
従って、遺言書は遺言者が亡くなった後に相続人らがすぐにわかるような場所で、かつ隠されたり、勝手に書き換えられたりする心配の無い場所に保管しておく必要があります。
身の回りでそのような場所を探してみてください。
 
そのような場所が見つからない場合は、以下を参考に保管場所を考えてみてください。
 

公正証書遺言の場合・公正証書による遺言は、遺言書の原本が公証役場に保管されています。
・従って、相続人らに遺言書を作成してある公証役場の場所を伝えておけば十分です。
・遺言書の存在が明らかになっても、相続人らが公証役場を訪れて遺言書の内容を教えて欲しいと要求したり、閲覧を請求したりしても、公証人がこれに応じることはありません。
司法書士に頼む場合・遺言書作成の際にアドバイスを受けた司法書士に保管を頼むという方法があります。
・司法書士は法律により守秘義務を負っており、職務上知りえた事実を第三者に洩らすことは禁止されています。
・従って、遺言書の存在すら秘密にしておくことも可能です。
第三者に頼む場合・自筆証書遺言の場合、親族等に預けることもあります。
・しかし法定相続人など遺産に利害関係のある方に預ける場合には、隠匿、改ざんの恐れがあり、逆に紛争の元となりかねませんので、なるべく遺産に何の利害関係がない、公正な第三者に保管してもらうようにしてください。

 
遺言で遺言執行者を定めた場合には、遺言執行者に預けておくのが適当です。

遺言の書き方

遺言は、それぞれ遺言の種類によって法律で厳格に書き方が定められています。
 
せっかく書いた遺言書も、書式に不備があるために、無効になることがあります。
 
自筆証書遺言と公正証書遺言の書き方についての説明をいたしますが、きちんとした遺言書を作成したいのであれば、一度司法書士などの専門家にご相談することをお勧めします。

遺言作成のポイント

(1) 全文を自筆で書くこと。
(2) 縦書き、横書きは自由で、用紙の制限はありません。
  筆記具もボールペン、万年筆など何を使用しても構いません。 (録音や映像は無効です。)
(3) 日付、氏名も自筆で記入すること。
(4) 捺印をすること。認印や拇印でも構いませんが、実印が好ましいです。
(5) 加除訂正する時は、訂正個所を明確にし、その個所に捺印の上署名すること。

公正証書遺言の作成方法

(1) 証人2人以上の立会いのもとで、公証人役場へ出向くこと。
(2) 遺言者が遺言の内容を公証人に口述すること。
  (聴覚・言語機能障害者は、手話通訳による申述、または筆談により口述に代えることができます。)
(3) 公証人がその口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、または閲覧させること。
(4) 遺言者および証人が筆記の正確なことを承認したうえで、各自が署名捺印すること。
(5) 公証人がその証書を法律に定める手続きに従って作成されたものである旨を付記して、これに署名捺印すること。

証人・立会人の欠格者について

遺言執行者は証人になることが認められていますが、未成年者、推定相続人、受遺者及びその配偶者、及び直系血族は証人にはなれません。
 
また、公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び雇用人も同様に証人にはなれません。

上手な贈与の利用方法

相続と贈与どちらが得か

生前贈与とは、被相続人が死亡する前に、自分の財産を人に分け与える行為です。
 
個人の財産は、各個人の意思により自由に処分できるのが原則です。
また生前贈与は、将来負担すべき相続税を抑えるという目的のために利用されます。

生前贈与の注意点

生前贈与の際の注意点として、次の4点を確認する必要があります。
 
1. 贈与税と相続税の節税額の分岐点を確認しておくこと
2. 遺産分割トラブルとならないように注意すること
3. 贈与契約書を作成し公証人役場で確定日付を取っておくこと
4. 相続開始前3年以内の相続人に対する贈与は相続財産として加算されることを確認すること
 

次に実際の生前贈与のやり方を見てみます。

贈与税は暦年課税で、1年間の基礎控除額が110万円です。
(ただし、平成22年1月1日から平成22年12月31日までは、「住宅取得資金の贈与税の非課税枠」により、さらに1500万円まで贈与税を課さないこととしました。
 
ですから、この期間の住宅取得資金の贈与は、暦年課税制度では、1610万円まで非課税となります。
 
また、相続時精算課税制度でも同期間は1500万円まで贈与税を課さないこととされていますので、特別控除額2500万円と併せると4000万円まで控除される計算になります。)
 
つまり、年間で110万円以下の贈与については課税されず、申告も不要ですので、一番シンプルな生前贈与の方法だといえます。
 
生前贈与を活用した節税対策には、110万円の基礎控除を最大限利用することのほかに、2000万円まで認められる贈与税の配偶者控除を利用する方法があります。
 

条件:

1.婚姻期間20年以上の配偶者からの贈与であることと
 
2.居住用不動産または、居住用不動産を取得するための金銭の贈与であること
 
つまり、贈与税の配偶者控除を利用することで、2110万円(2000万円+110万円)まで、贈与財産の価額から控除が可能になります。
 
相続税は、5,000万円+(1,000万円×法定相続人数)という基礎控除や、配偶者税額軽減などの措置が取られているために、かなり多額の遺産総額の見込みがないと発生しませんので、生前贈与などが税制上効果を生むケースはごく少数といえるかもしれません。
 
一般のサラリーマン家庭においては、生前贈与が相続税対策に役立つかどうかは定かではありません。
 
というのも、相続税には税金のかからない基礎控除や、配偶者税額軽減の他にも小規模宅地の特例などの優遇措置があるからです。
 
相続税対策として生前贈与を活用するには、まず被相続人の資産状況の把握が必要です。
 
生前贈与していても実は税金がかからない状況だった、ということになっては意味がありません。

上手な遺言の利用方法

遺言書必要度チェック

まだまだ一般の方には馴染みの薄い遺言書ですが、実は “遺言書を作成しておいた方が良かった” という代表的なケースが下記のように多く存在します。
一度ご自身の家庭環境に照らし合わせて検討してみましょう。
 
 
一つでも当てはまる方は要チェックです!
 

□ 子どもがいない
□ 相続人が一人もいない
□ 相続人の数が多い
□ 内縁の妻(または夫)がいる
□ 自分が死んだ後の妻(または夫)の生活が心配だ
□ 相続人の中に行方不明者がいる
□ 世話を焼いてくれた嫁(または婿)がいる
□ 障害をもつ子どもに多くの財産を与えたい
□ 家業を継ぐ子どもがいる
□ 遺産のほとんどが不動産だ
□ 自分でもどのくらい遺産があるかよくわからない
□ 再婚など、家族構成に複雑な事情がある
□ 隠し子がいる
□ 遺産を社会や福祉のために役立てたい
□ 相続に自分の意志を反映したい
□ 特定の人だけに財産を譲りたい
□ 推定相続人以外に相続させたい
□ 財産を予め同居している子の名義にしておきたい

遺言書でできること

法律的に意味のある遺言は、民法で下記の通り決められています。
もちろんそれ以外のことを書いてはいけないというわけではありません
 
残された方のことを考えて「付言事項」として遺言者の思いを書かれることは、大変意味のあることではないでしょうか。
 

1)財産の処分に関すること

第三者への遺贈お世話になった人など相続人以外の人にも財産を贈与することができます
社会に役立てるための寄付社会福祉団体や公的機関や菩提寺などに財産を寄付することができます
信託の設定信託銀行などに財産を管理・運用してもらうための信託設定をすることができます

 

2)相続に関すること

法定相続分と異なる相続分の指定法定相続分とは異なる相続割合を希望する場合に、相続人それぞれの相続分を指定することができます
相続人ごとに相続させる財産の指定相続人それぞれに、誰に何の財産を相続させるか指定することができます
遺産分割の禁止5年間遺産分割を禁止することができます
生前贈与、遺贈の持戻しの免除生前に行った贈与などは、通常相続から調整されることになりますが、遺言によってそれを免除することができます
遺留分の減殺方法の指定相続人の遺留分が侵害された場合、遺贈等の減殺の順序や割合を指定することができます
共同相続人間の担保責任の減免・加重遺産分割後にその相続を受けた財産に欠陥があって
損害を受けた時、相続人同士はお互いの相続分に応じて保障
しあうことが義務となっていますが、遺言でその義務を軽減
したり加重することができます
遺言執行者の指定遺言の内容を実際に執行してもらう人を指定することができます

 

3)身分に関すること

認知婚外の子を認知することができ、認知された子は相続人となることができます
法定相続人の廃除またはその取り消し相続人を廃除したり、また廃除の取り消しができます
未成年後見人の指定相続人の中に未成年者がいて親権者がいない場合は、遺言によって後見人を指定することができます

保証債務とは

相続発生時に少し怖いのが「保証債務」の存在です。
 
亡くなった方が自分で借りていたお金については、借用書(金銭消費貸借契約書)が残っている、不動産担保があり、不動産登記簿謄本からその存在を確認することができる、等から判明するケースが多いです。
 
しかし、亡くなった方が他人の債務を連帯保証していた場合には、契約書のコピーすら貰わない場合も多く、生前に「私は○○の連帯保証人だ」と話を聞いていない限り保証債務の存在に気が付きません。
 
その場合、保証債務の存在を知らずに相続してしまい、主債務者が破綻したことを機に、突然相続人に請求が来ることになってしまいます。

相続後に、保証債務が発覚した場合

相続後に、突然、保証債務の請求が来たらどうなるでしょう?
 
この場合、相当の理由がある場合には、例外的に、債務の存在を知った時(例:債権者からの督促状が届いた日)から3ヶ月以内の手続きが可能なケースがあります。
 
もちろん、家庭裁判所が相続放棄の申述を受理しても、債権者が、無効なものとして争ってくる可能性は否定できません。
 
放棄は受理されれば効力が確定するという性質のものではありませんので、覆すことも可能な点は注意が必要です。
 
相続放棄手続がそもそも取れなかったり、手続きを覆されたりすると、債務を逃れることができなくなります。そうなると、債務整理などの手続きを考える必要も有るでしょう。

できるだけ慎重な調査を

もちろん、限界はありますが、相続に際して、連帯債務や連帯保証の存在について調査をされるのが望ましいと考えます。
 
しかし、どうしてもわからない、どうしても不安、ということもあろうかと思います。
 
そのような場合で、相続財産を貰わなくても自分の生活には全く影響が無い、というケースなら、リスクを軽減するために相続放棄の手続を取っておくことも一つの方法です。
 
相続放棄の申述理由には「自己の生活が安定しているため」という理由も認められており、予防的な相続放棄が可能です。
 
少し臆病な感じはしますが、有効な相続対策の一つとして覚えておかれて損はないと思います。
 
※相続放棄のページはこちら → 相続放棄
 
 
(追加論点)
また、遺産分割協議上では相続放棄はできない点にもご注意ください。
 
その話は、遺産分割協議での注意点でさせていただこうかと思っています。

3ヶ月を過ぎた相続放棄

相続放棄できないかも!とお考えの方へ

こちらのページをご覧になっている方は、相続放棄について、「放棄できるかどうか」が不安で不安で仕方ないと思います。でもご安心ください!
 
相続放棄のみに特化した当事務所は、これまで多くの相続放棄をサポートする中で培った経験とノウハウがあります。
 
さて、脅かすわけではないですが、相続放棄が裁判所に認められなかった場合は一体どうなるのでしょうか。
 
相続放棄の申し立ての期限については「自身が相続人であることを知った日から3ヶ月以内」に手続きをしなければならないと法律で決められています。
 
そして、注意しなくてはならないのは、「相続放棄に関する法律を知らなかった」という言い分は認められないということを十分に肝に銘じなければなりません。
 
「相続放棄の手続き期限は3ヶ月以内」という期限を本当に知らなかったとしても、知っていたものとして扱われますので十分注意が必要です。
 
ですから、相続財産をすべて相続人が相続するという結果になります。
 
相続財産には負債も含まれますので、負債や借金しかない場合は、その負債を背負うことになります。
 
実際に聞く話では、相続放棄が受理されずに500万、1000万円の借金を背負ってしまった、親が友人の連帯保証人になり、死んでしまったばっかりに、他人の借金で人生がめちゃくちゃになってしまう人も少なくありません。
 
では、どうすれば、相続放棄を裁判所に認めてもらうことが出来るのでしょうか。
 
これは正直に申し上げると、引き受ける司法書士事務所のスキルやノウハウや経験次第と言えます。
 
他の事務所に依頼して「この場合は、絶対に相続放棄はできません!」と言われてさじを投げられたケースで、当事務所に駆け込んで来られたお客様は、ほとんどのケースで相続放棄を勝ち取ることが出来ております。

当事務所の取り組み

例えば当事務所では、下記のようなことを行っております。
 

1.徹底したヒアリングを行います

当事務所では、当時の状況や事実関係がわかるまで、しっかりとヒアリングさせていただきます。

2.必要な情報の収集

決め手となる情報を、お客様と一緒に収集します。
沢山の情報の中から申述に必要になりそうなものを探しだします。

3.綿密な申述書の作成

頂いた情報とヒアリングをもとに、事案ごとに相続放棄が受理される為の申述書を作成します。

 
3ヶ月が経過してしまってからの相続放棄手続きでは、どうして3ヶ月を過ぎてしまったのかをハッキリさせる事が重要です。その為、徹底的に面談やヒアリング、資料集めにお付き合い頂いております。
 
このようなお客様との連携プレーを重視して、相続放棄が受理される可能性を見出すことを考えます。
 

3ヵ月後の相続放棄 相談事例

【依頼前の事実関係】

父が1年前に亡くなり、母もすでに他界。相続人は兄と私と妹の3人。父にはこれといって資産も借金もない(と思っていた)。
 
父の葬儀から1年たったある日、銀行から私宛に突然、内容証明郵便が届いた。
 
内容は、兄の住宅ローンの支払が滞っていて、連帯保証人に亡父がなっていたので、その連帯保証債務を相続人である私たちに支払えというもの。
住宅ローンの残債はおよそ1000万円。
 
相続放棄という手続きも考えたが、父が亡くなった時に、葬式も手伝ったりしているので、『亡くなったことを知らないとはいえない』と他の専門家に相続放棄の期限の3ヶ月を過ぎてしまっているので、相続放棄は難しいと言われた。
 
請求通り支払っていかなくてはならないだろうか?
 

【問題点】

・亡父の住宅ローンの連帯保証債務を相続人らが支払わなければならなくなる。
 
・相続放棄で処理をするのであれば、被相続人が亡くなったことを知ってから3か月以内に家庭裁判所に申述しないといけない。今回、亡くなったことを知ってから3か月以上が経っているが、現在でも相続放棄の手続きがとれるのか?
 

【提案】

・確かにお父さんが亡くなったことを知った日からは、1年経過しているので相続放棄は難しいと思われるが、
 
①亡くなった時には、兄の住宅ローンの連帯保証人に父親がなっているとは思わなかった。
 
②お父さんに「連帯保証債務」があった事を知ったのは、銀行から内容証明が届いた日であるので、届いた日から3か月以内に相続放棄の手続きをする。
 

【実行&結果】

提案通りに、家庭裁判所に上記の論点での申述書を作成し、家庭裁判所からの照会書(質問書)のやり取りを何回かして、無事に受理されました。
 
そして、それを債権者である銀行へ送付するところまでお手伝いいたしました。
この結果、自己破産することもなく、借金も放棄することができました。

限定承認と単純承認

相続財産を一言に「引き継ぐ」と言っても、引き継ぐ方法には2種類あります。
相続財産を限定承認する方法と単純承認する方法です。

単純承認とは

単純承認とは、相続財産と債務を無条件・無制限に全て引き継ぐ方法です。
 
相続開始を知った時から3ヶ月以内(熟慮期間とも言います。)に相続放棄または限定承認の手続きをとらない場合、自動的に単純承認となります。
 
 
また、この他に下記の場合には単純承認したことになります。
 
・相続人が、相続財産の全部又は一部を処分したとき
 
・相続人が相続開始を知った時から3ヶ月以内に限定承認又は放棄をしなかったとき
 
・相続人が、限定承認又は放棄をした後でも、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私的にこれを消費し、又は悪意でこれを財産目録に記載しなかったとき
 
これらの場合は、相続する意思がたとえなかったとしても、自動的に単純承認になりますので注意しましょう。

限定承認とは

限定承認とは、債務のうち相続財産を超える部分の返済義務を引き継がない方法です。
 
プラスの財産とマイナスの財産があった場合に、プラスの財産の限度においてマイナスの財産も相続し、それ以上のマイナスの財産を相続しない方法です。
 
 
限定承認をする場合は、以下のような手続きが必要となります。
 
1)相続人全員の総意が必要
 
2)相続の開始を知ったときから3ヶ月以内に「限定承認の申述審判申立書」を家庭裁判所に提出
 
3)限定承認を選択した場合には、不動産などの値上がり益が精算されると考えるため、譲渡益相当額の所得税課税がされる
 
 
限定承認が有効なケースとしては、以下のようなものが考えられます。
 
・債務が超過しているかどうかはっきりしない場合
・家業を継いでいくような場合に、相続財産の範囲内であれば債務を引き継いで良いというような場合
・債権の目途がたってから返済する予定であるような場合
・債務を加味しても、どうしても相続したい相続財産があるような場合
 
いずれにしても、相続が発生した早い段階から、相続人の相続財産を調査して、相続しても良いものなのか判断することが重要です。

相続登記トラブル事例

相続登記とは、相続財産である土地や建物の名義を変更する手続きです。
 
この手続きを怠たると、その土地や財産の所有権を主張することができません。
 
つまり法律的に、自分の所有物とは認められないのです。
しかし、この登記手続きには明確な期限が定まっていないために、または下記のような誤解によって怠たっているケースが多発しています。

【登記をしない理由】

・死亡した人が地方に土地を保有していた場合に、遺族の方(相続人)では発見することが出来ずに、名義変更を怠ったケースです。
 
→このまま放置しておくと、相続する権利を保有する相続人が時間ともにどんどん増えていき、遺産分割がスムーズに進まずに、時が経つにつれて相続人が増え、遺産分割に異を唱える相続人が出てきます。また、分割方法で合意していたものの新しい相続人も相続分を主張してきたりして、一向に遺産分割が進まないことになってしまいます。
 
 
・相続人が(借金などを理由に)行方不明になってしまい、その相続人が不在のため、相続ができないと思い込み名義変更をしなかったケース。
 
→相続人がなんらかの理由で行方不明になってしまうこともあります。しかし、その相続人不在ではもちろん遺産分割協議は成立しません。ですから、このような場合に、家庭裁判所に「不在者財産管理人の申立て」を行い、行方不明になってしまった相続人の代わりに、法律の専門家などが不在者財産管理人として、話し合いに参加し、遺産を分割することができます。
 
 
・登記済証(権利証)を紛失したため、登記ができないと思い込んでいる。
 
→不動産所有している方は、権利証(不動産登記法改正により権利証が発行されていない場合は、登記識別情報)をもっておられると思います。紛失してしまった場合、権利証は再発行されることはありませんが、相続登記は権利証が無くてもすることができます。
 
 
・相続登記をすると、“莫大な”相続税が発生すると思い込んでいる。
 
→相続に関する手続きをした時に、何でもかんでも相続税が発生すると思っておられる方が非常に多いのですが、相続税が発生する相続案件は全体の4%に満たないのが現状です。
つまり、殆どのお客様には相続税は課税されません。ですから、安心して相続財産の名義変更をお済ませ下さい。
 
 
・なんらかの理由で登記をせずに、そのまま長期間経過してしまった場合、なんらかの罰則を恐れて、名義変更ができなかった。
 
→名義変更をしなかったからといって、罰則などが適用された例はございません。
ですから、すぐに名義変更することをお勧めいたします。
 
 
・そもそも登記が必要なことすら知らない。
 
→新しく土地を取得した場合は、所有権の移転登記が必要になりますし、建物を購入した場合などは、所有権の登記が必要になります。
自分の土地の権利を守るためにも、登記は絶対にしておくべきです。

【登記をしないデメリット】

・その相続財産(不動産)に関する自分の権利を主張することができない(登記していなければ、権利は主張できません。
また通常、その不動産を担保に融資も受けられませんし、売却することもできなくなります。)
 
・時が経つとともに、関係性の希薄な相続人が増え、まとまる話もまとまらなくなる。
 
・相続財産の名義変更(遺産分割)を終えてない場合は、共有財産となるので、その不動産の売却もできません。

トラブル事例!!


※丸数字は死亡順を表します。
 
健二さんは相続に関するHPに「相続登記には期間の制限はなく、必要になった時に登記しても問題ない」と記載されていたことを覚えていた為、知り合いの司法書士の強い勧めを断って、自分の父である健吾さんの死亡後、健吾さんの所有である土地の登記をすることなく、放置していました。
 
相続に伴う登記のことなどすっかり忘れて、そして14年が経過した後、その土地の購入希望者が現れました。
 
その話を喜んだ健二さんは売却を決めましたが、そのためには相続登記をして土地を健二さん名義にしなければなりませんでした。そこで、司法書士に相続登記の依頼をしました。
 
相続登記を放置している間に、健二さんの兄弟である健一さん、健三さんが亡くなっており、相続人の範囲が広がっていました。(健吾さんが亡くなった直後の話し合いでは、その土地は次男である健二さんが相続することで兄弟間で話がまとまっていました。)
 
そして、その土地に関する事前約束など全く知らない、健二さんとは、縁遠い人間同士で遺産分割協議(遺産を分ける話し合い)を行いましたが、結局まとまらず、売却代金を全員でわけることになり、健二さんの手元にはわずかな額しか入りませんでした。
 
すぐに相続登記をしなかったために、ピンクの網掛けをしている親族同士で遺産分割をしなければならなくなります。

相続不動産の売却

相続に関する不動産のご相談で最も多いのが、相続した土地・建物を実際には使わないので、売却したいというものです。
 
不動産の売却というイベントは、人生で何度も経験することではないため、こちらの経験値が不動産会社に比べると圧倒的に少ないのが現実です。
 
より良い売却の方法、より良いタイミング、より良い特例の使い方など、ある程度専門家に相談して最低限の情報を把握した上で、実際の売却に進みましょう。

だれが相続するか決まっていない不動産を売却する場合

相続財産を未分割のまま売却する場合には、各相続人が法定相続分に基づいて共同で相続し、売却したものと考えることになっています。
 
この割合に基づいて売却代金等を按分し、それぞれが税金を計算して申告することになります。
現にその不動産に居住している人は居住用の特例が使えます。
 
なお、売却してしまうと法定相続分でそれぞれが相続することを同意したと判断されます。
 
後に分割協議をして法定相続分と異なる割合で代金を分割することは原則的には認められませんのでご注意ください。

相続してすぐ売却するときの注意点

亡くなった人の自宅土地について小規模宅地の特例を使う場合には、相続税の申告期限(亡くなった日の10ヶ月後)までにその土地を売却すると、80%の減額が使えず、50%の減額になってしまうことがあります。
 
たとえ減額できると言っても、30%の差は大きいので、注意して進めなければなりません。
 
小規模宅地の特例は、土地の評価額を最大で80%減額するもので、実際にこの特例を使ったおかげで相続税がゼロになったというケースが良くあります。
 
配偶者がその土地を相続する場合にはいつ売却しても80%の減額ができることになっているので心配ありません。
 
この制度の適用を受けるにはその他にも様々な要件を満たす必要がありますので、必ず税理士等の専門家に確認してください。

優遇税制・取得費加算特例

「相続税納税のための土地売却については譲渡税を安くする」という趣旨の特例があります。
 
土地に対する相続税を1億円納税していれば、一定の期限日までに相続土地を売却することで、土地譲渡益1億円までは非課税になります。
 
ちなみに、相続税申告から3年間はこの特例が適用でき、非課税枠が適用できるのです。
 
例えば、平成20年4月1日に相続開始(亡くなった)の場合には、平成23年4月1日が期限日になります。
また、相続税を物納した場合でも利用できます。

不動産の境界問題

相続では、相続財産である不動産の境界が原因でトラブルになることがあります。
 
公図や登記上では、しっかりと境界があったとしても、実際に現地を見てみると、土地と土地の境界が全く違うこともあります。
 
隣の不動産が侵食していたり、置石が崩れていて境界がはっきりしないなどの場合がありますから注意が必要です。

境界がはっきりしない場合の対処法

そんなときは以下のような方法で解決できます。
 
・土地家屋調査士に相談する
・裁判所に境界確定の訴えを起こす
・境界鑑定委員が資料を集め、現地を測量し、公正妥当な位置を決めす。
・境界鑑定委員は裁判所から依頼を受けた土地家屋調査士が務めます。
・裁判外の調停を各県単位の土地家屋調査士会で設置しているところも増えてきています。
 
いずれにしても、境界問題で困ったことが生じた場合は、相続の専門家に相談して公正な立場で判断してもらいましょう。

相続不動産の評価を減らす

相続税の負担を軽くするためには、出来るだけ相続税評価額を減らしておくことが肝心です。
 
もちろん、違法に減らすのではなく、法律で認められている事項を漏れなく適用していくのです。
 
下記に代表的な評価減の方法論を掲載しておきますので、参考にしてください。

土地を他人に貸している場合

貸宅地の評価額=自用地価額×(1-借地権割合)
(自用地・・・他人に貸さずに、自分で使用している宅地のこと)

土地を借りている場合

借地権の評価額=自用地とした場合の評価額×借地権割合
(貸している土地であっても建物がない場合には借地権は発生しない)
(借地権割合は、路線価図や評価倍率表に表示されている)

賃貸物件を所有しているとき【貸家建付地評価減】

地主が建物を建てて他人に貸している時の土地
貸家建付地=自用地価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
(賃貸割合=賃貸されている各独立部分の床面積の合計÷家屋の各独立部分の床面積の合計)

生活に必要な資産に対する配慮【小規模宅地の評価減】

活の基盤となる最低限必要な財産を相続税から守るため、被相続人の居住用宅地や事業用宅地のうち、一定の面積までは通常の評価より一定の評価減を行うもの。
 

宅地の状況種類限度面積減額される比率
居住用宅地特定居住用宅地240㎡80%
その他の居住用宅地200㎡50%
事業用宅地特定事業用宅地400㎡80%
特定同族会社事業用宅地400㎡80%
その他の事業用宅地200㎡50%

建物を他人に貸している場合

貸家の評価額=固定資産税評価額(1-借家権割合賃貸割合)

不動産の評価方法

相続税に最も大きな影響を与える財産の一つが不動産です。
 
不動産の財産価値が高ければ高いほど、相続税の負担も大きくなるため、不動産の財産価値をどう評価するかで大きな金額負担の差異が発生します。
 
一般的に、不動産の評価は税理士が路線価と不動産面積から算出します。
不動産に接する道路には値段が決まっていて、これを路線価と呼びます。
 
その値段を調べて不動産の面積を数式に当てはめれば、不動産の大まかな価値を算出できるのです。
 
ただし、不動産は個別性の非常に高い財産ですから、これだけでは適正な不動産価格は出せません。
 
しっかりと現地に行って、高低差や、不動産の形、交通手段や周辺の施設をチェックし、それらの要素を加味して、最終的な「不動産の価値」を算定するのです。

相続不動産の評価における問題点

意外と知られていないのですが、すべての税理士が、この不動産評価を出来るとは限りません。
 
なかには、相続税申告に慣れていない税理士もいて、その土地評価が適正ではないことがあるのです。
(税理士が10人いれば、相続税評価額は10通りあると言われているくらいです。)
 
そのことによって、相続人が払わなくてもよい相続税を払わされて、後に訴訟になったり、他の税理士が税務署から払い過ぎた分を取り戻す請求を起こしたりすることが少なくありません。

不動産の名義変更

相続登記は、相続した財産の登記上の名義を書き換える手続きです。
 
詳しく相続登記の説明をするまえに、前提となる登記制度を簡単に説明する必要がありますので、まずはそちらからお話させて頂きます。
 
登記制度にはいくつか重要な原則があります、今回はそのうち2つを説明させてもらいます。
 
①権利関係の変動を適正に表示するという原則
 
特殊な場合を除いて、権利の動きは全て登記情報に表現していく必要があります。
具体的には、「年月日売買」、「年月日相続」等のような独特の表現を用いて、いつ・誰が・どのような原因で不動産を取得したのか、というような権利の変動を表示します。
 
②権利に対抗力をあたえるという原則
 
登記には、『対抗力』という、自分が所有者であることを主張することのできる力があります。
 
例えば、土地を買った場合です。登記をしておかないと他人にはそれがわかりません。その為、さらに他の人に売られてしまう(2重売買)事があます。この場合、真の所有者として優位に立つことができるのは、先に買った者ではなく、先に登記を備えた者になります。この自分を優位に立たせてくれるのが『対抗力』の効果であり、登記の役割になります。
 
これらの原則が有るため登記制度は利用されています。特に、自己の権利保護としての登記活用は、取引社会において重要な役割を担っています。
 
相続登記に関しても、権利変動を明確にしなければならないため、①の原則どおり登記をする必要があります。この点は、普通の登記と同じです。
 
但し、②の原則である、対抗力については異なる点があります。相続という権利変動は、発生によって当然に起きるものであり、特に登記をしなくても、登記に表示されている人物の相続人であることが証明できれば、それで権利が確認できてしまいます。もちろん例外はありますが、対抗力を得るという意味では必要性の薄い登記だと言えるわけです。
 
この、対抗問題として登記が不要な点、登記に期限や罰則が無い点、手続きが複雑で費用がかかる点、等が相続登記が放置される事に繋がっています。

相続登記しなくても問題ない?

では、「相続登記をしなくても良いのか?」と言えば、そういうわけではありません。
 
権利変動を表現する必要があるわけですから、遅かれ早かれ必ず登記は必要です。①の原則が存在するため登記そのものを省略することは不可能なのです。
 
それなら、「実際に登記が必要になった時にすれば良いのでしょうか?」
 
この点は、正直に言わせて頂ければ、そうだとも言えます。
 
しかし、専門家の立場で言えば、「可能な時にさっと登記しておく方が安全なので、できる時にパッとやっておくほうが良いでしょう」という事になります。
 
つまり、相続登記を放置すると、一定のリスクがあるというわけです。そのリスクをご説明しましょう。
  
リスク① 権利関係の複雑化
相続が何度も発生してしまうことで、相続人が増えてしまいます。一世代から二世代も放置されると、事例の複雑さ、相続人の数、専門家報酬、等も跳ね上がります。自分で実行はおろか、専門家でも登記までこぎつけるのが困難になるケースもあり、手続自体に数ヶ月から1年くらい時間がかかることも少なくありません。採算が取れず、専門家が受任しない場合、ずーーーーと放置するしか無くなってしまいます。
 
リスク② 儲けの機会を逃す
不動産を高価で売却できるという時に、相続登記が必要だったため、時間的な制約から話が流れてしまうというケースです。もちろん、稀なケースではありますが、起こってしまうと残念です。
 
リスク③ 相続人の事情や体調の変化
これが最大のリスクです。相続が発生しなくても、相続人の意見、事情、体調等は時間の経過とともにどんどん変化します。僅か数年間の変化でも次のような問題に発展します。
「全部長男でいいよと言っていたのに話が変わった、何か方法は無いか?」、「相続人の一人が認知症になってしまった、この場合はどのような手続きをとるのだろう?」、「一人行方不明になった者がいるが、この場合はどうすれば良いのだろう?」、これらのケースの相談は現実に多いのです。
 
ちなみに、これらのケースでの対処方法をあげると、「話が変わった場合」は調停や裁判等が必要になる事もあります。「認知症になる」と成年後見人の選任をして遺産分割協議を剃る必要があります。「行方不明」になると、なんと7年待って失踪宣告が必要にることもあります。どれも専門家が依頼としてお話を頂いてもゾッとする大変さです。
 
どうでしょう? できる時に相続登記を済ませておくことの安全さがわかって頂けたでしょうか?

相続登記の手続き

次に、相続登記手続きの流れをご説明します。基本的に、以下の順序に従って手続きを取ります。
 
①財産調査
②戸籍収集
③相続関係説明図作成
④遺産分割協議書作成
⑤相続登記申請
 
ひとつひとつ説明します。
 
①財産調査は、名寄帳を役場で取得して、被相続人の財産を調べたり、部屋や本人の遺品を調査したりします。他にも、公証人役場へ遺言が無いかを確認することも重要です。
 
②戸籍収集については、被相続人の死亡戸籍からたどって、順番に収集します。必要になる戸籍、戸籍の附票、住民票などを説明しておきます。
 まず、被相続人(亡くなった人)の生れた時から死亡の時までの戸籍が全て必要になります。次に、相続人の現在戸籍がそれぞれ必要です。被相続人の登記記録上の住所と、死亡時の住所が異なる場合は、住所の移転を証明するために、戸籍の附票を取得いたします。最後に、財産を相続する人の住民票が必要になります。
 
③収集した戸籍をもとに、相続関係説明図を作成します。この書類は、戸籍の原本を返却してもらう為のものです。基本的に添付が求められます。
 
④遺産分割協議書の作成をします。それぞれが署名をして、実印にて押印し、印鑑証明書をセットにしておきます。遺産分割の文言の中に、「他の財産は全て〇〇へ・・・」のような包括的な文言がある場合は、思わぬ財産が出てきて、同じ協議書を将来もう一度利用するかもしれません。協議書は印鑑証明とセットで使う必要があるため、できれば一緒に保管したほうが便利です。
 
⑤最後に、相続登記の申請書を作成し、定められた方法で、戸籍や説明図、協議書と一緒に登記申請します。この申請書の作成くらいであれば、法務局へ尋ねると指導を受けることができると思います。戸籍の収集や協議書の作成までになると、「司法書士さんへ相談して・・」となるケースが多いようです。

専門家の相続登記

ここからは、専門家が便利な点のお話をさせて頂きたいと思います。
 
専門家の利用が便利な点は、戸籍の収集がもっとも大きいです。
 
少し遠方の戸籍を収集する場合は、郵送による戸籍収集になりますが、ややこしいのは、戸籍を取得したい者(申請人)と、戸籍に載っている者の関係を証明していく必要があることです。
 
戸籍は、基本的に、配偶者や親子ぐらいの極めて近い親族での取得を除けば、他人が簡単に取得できるようにはできておりません。基本的に、戸籍を付けて関係を証明して取得する必要があります。毎回同じ証明が必要になりますから結構面倒な作業です。
 
その点、専門家は、職権による戸籍収集が認められており、迅速な戸籍収集が可能になります。
 
また、協議書の内容についても、専門家ならでは経験則が活きてきます。もう一度利用する可能性や、手続きに合わせた簡便な協議書のあり方を模索し、最も合理的な形で作成いたします。
 
素人が作成されている協議書の場合、内容不備の為に、あとでもう一度同じ物を作成し直す必要があるケースがあります。ただ、作れば良いのではなく、同じように全員の実印と印鑑証明が必要になりますから、上記のリスク①と③と同じリスクを背負ってしまいます。
 
例えば、遺産分割協議書を分割した形になる、「遺産分割証明書」を利用し、遺産分割協議書への署名、押印を一人一人の手続きへと変えてしまう事等があります。相続人同士の居住地が離れた場合でも、一枚の協議書を回して、いたずらに時間をかけるということ無く、迅速に遺産分割を整えることが可能になります。

相続登記にかかる費用

当事務所での相続登記にかかるサポート費用は次のとおりです。
 
戸籍収集 : 10通までは10,000円(税込11,000円) 11通目以降、1通あたり2,000円(税込2,200円)
 
相続関係説明図作成 : 10,000円(税込11,000円)※
 
遺産分割協議書作成 : 20,000円(税込22,000円)※
 
相続登記申請書作成、申請代行 : 50,000円(税込55,000円)※
 
それに合わせて、登録免許税という税金がかかります。こちらは、税金なのでどの事務所でも共通の話になりますが、計算方法をあげておきます。
 
その年の固定資産の評価額 × 1,000分の4 = 登録免許税
 

不動産をお持ちの場合、評価通知書が毎年送付されてくるはずなので、そちらに記載のある評価額で計算してみてください。
 
※の金額は基本料金です。殆どの場合はこの金額ですが、あまりに相続人が多すぎる場合は、報酬額が変わります。こういう場合は、戸籍収集後にお客様に相続人の数を報告させて頂き、報酬の見積りの変化などを報告させて頂きます。

相続税の評価額の算出

相続税の申告は時価ではなく、相続税法や国税庁の通達に従った評価額、すなわち相続税評価額をもとに行います。
 
相続税の申告で最も難しいのはこの相続税評価額の計算であり、かなりの専門知識が要求されます。
 
財産評価の詳細は「財産評価基本通達」にありますが、以下に主なものをご紹介いたします。

土地の評価方法

(1) 路線価方式

土地の面する路線(道路)を区切りとして、国税庁の定めた土地の路線価をもとに評価する方法です。
 
評価方法としては、路線価に土地の面積を掛けて評価額を求めるのが基本ですが、間口が狭くて細長い土地だったり、がけ地だったりすると評価額の調整が行われます。
主に市街地的形態を形成する地域で採用される方式で、毎年各国税局が作成する路線価図に基づいて土地を評価します。
 
算出方法:路線価×(注)補正率・加算率×宅地面積
 
(注)土地の間口、奥行き、地形等で利用しにくい土地は一定の方法により評価額が低くなります。逆に二つの路線に面している角地などは、土地の利用価値が高くなるため評価額も高くなります。
 

(2) 倍率方式

都市郊外の地域で路線価が定められていない地域で採用される方式で、地域ごとに定められている倍率表に基づいて土地を評価します。
 
算出方法:宅地の固定資産税評価額×倍率
 

(3)借地の評価

算出方法:路線価方式、または倍率方式の評価額×借地権割合
※借地権割合は路線価図や評価倍率表に表示されています。

建物の評価方法

(1)自用家屋

算出方法:固定資産税評価額×1.0
 

(2)貸家

算出方法:自用家屋の価額×(1-30%)

上場株式の評価

証券取引所に上場されている株式を上場株式といい、上場株式の評価は、その株式が、上場されている証券取引所が公表する課税時期(被相続人の死亡日や贈与を受けた日)の最終価額によります。
 
しかし、上場株式は、日々価格変動するものであり、評価の安全性を考慮して4つの評価方法があります。
 
1)相続が開始した日の最終価格
2)相続が開始した月の最終価格の月平均額
3)相続が開始した月の前月の最終価格の月平均額
4)相続が開始した月の前々月の最終価格の月平均額

生命保険金の評価

算出方法:受取金額-非課税枠(500万円×法定相続人の数)

退職手当金の評価

算出方法:受給金額-非課税枠(500万円×法定相続人の数)
 
生命保険契約に関する権利(保険事故が発生していないもの)
解約返戻金相当額などがございます。

課税対象財産

相続税の対象となる財産は大きく以下の3つに分類されます。

1.本来の相続財産

この場合の財産とは、被相続人が死亡時に所有していた現預金、有価証券、土地・家屋、貸付金、著作権などの金銭に見積もることができる経済的価値のあるものすべてをさします。

2.生前の贈与財産

相続により財産を取得した者が、相続の開始日から死亡前3年以内に取得した被相続人からの贈与財産及び相続時精算課税の適用を受けた財産のことです。
 
これらの財産はすでに被相続人の所有から外れていますが、相続税の計算上は本来の相続財産に上乗せします。

3.みなし相続財産

本来的に被相続人の財産で、相続税の計算上は相続財産とみなして、本来の相続財産に上乗せする財産のことです。
 
死亡保険金、損害保険金、死亡退職金などがこの対象となります。

遺族年金の受給

遺族年金は遺族にとって大切な生活の資金です。
どれだけ支給されるかを把握し、受給忘れのないようにしましょう。
※詳細な情報や、手続きの代行は、社会保険労務士に相談するのが一番ですが、以下、一般的な情報を提供します。
 
遺族年金には、
(1)遺族基礎年金(国民年金に相当)
(2)遺族厚生年金(厚生年金に相当)
(3)遺族共済年金(共済年金に相当)
の3種類があります。
 
遺族年金は大きく分けると、年金形態によって支給されるものが異なってきます。
 
国民年金から支給される遺族基礎年金、厚生年金から支給される遺族厚生年金、共済年金から支給される遺族共済年金と分かれています。
 

死亡者対象の方給付種類
自営業18歳未満の子のある妻遺族基礎年金
子のない妻死亡一時金 または 寡婦年金
サラリーマン18歳未満の子のある妻遺族基礎年金・遺族厚生年金
子のない妻(40歳未満)遺族厚生年金
子のない妻(40~65歳)遺族厚生年金・中高年齢寡婦加算
公務員18歳未満の子のある妻遺族基礎年金・遺族共済年金
子のない妻(40歳未満)遺族共済年金
子のない妻(40~65歳)遺族共済年金・中高年齢寡婦加算

(1)遺族基礎年金

受給要件

遺族基礎年金の受給要件としましては、以下の条件を満たしていることが必要となります。
 
被保険者または老齢基礎年金の資格期間を満たした者が死亡したとき。(ただし、死亡した者について、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が加入期間の3分の2以上あること。)
 

対象者

遺族基礎年金の受給要件としましては、以下の条件を満たしていることが必要となります。
 
死亡した者によって生計を維持されていた、子のある妻,子
子供が以下の条件の時に支給されます。
 
●18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子
●20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子
 

支給額

●子供がいないケース 792,100円
●子供が一人のケース 1020,000円
●子供が二人のケース 1247,900円
●子供が三人のケース 1323,800円
●これ以上は子供一人につき、75,900円が支給されます。

(2)遺族厚生年金

受給要件

遺族厚生年金の受給要件としましては、以下の条件を満たしていることが必要となります。
 
●被保険者が死亡したとき、もしくは、被保険者期間中の怪我や病気が原因で初診日から数えて5年以内になくなられたとき。
ただし、遺族基礎年金と同じように死亡した方が、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が国民年金加入期間の3分の2以上ある必要があります。
●老齢厚生年金の資格期間を満たした方が亡くなられた場合
●1級・2級の障害厚生年金を受けられる者が亡くなられた場合
 

対象者

遺族厚生年金の受給要件としましては、以下の条件を満たしていることが必要となります。
 
●遺族基礎年金の支給の対象となる遺族(子のある妻、子)
●子供のいない妻
●55歳以上の夫、父母、祖父母(60歳から受給)
●孫(18歳の誕生日の属する年度の年度末を経過していない者、20歳未満で1・2級の障害者)
 

支給額

平成15年3月までのボーナスを入れない平均月収×7.125/1,000×平成15年3月までの働いた月数

平成15年4月から現在までのボーナスを入れて総額を月数で割った金額×5.481/1,000×平成15年4月から現在までの働いた月数
この合計に3/4を乗じた額が支給額になります。

株式の名義変更手続き

相続人が相続する財産のなかに株式があり、不動産の名義変更と同じように、名義を変更する必要があります。

株式の名義変更は、被相続人名義の株式が上場している株式か非上場の株式かによって手続きが異なります。

上場株式の名義変更の手続き

上場している株式は、証券取引所を通じて取引されていますので、証券会社が介入しています。

ですから、証券会社と相続する株式を発行している株式会社の両方で手続をすることになります。

証券会社との手続

証券会社は顧客ごとに取引口座というものを開設していますので、取引口座の名義変更手続きを行うことになります。

その際必要となる書類には、以下のようなものがあります。

・株式名義書換請求書
・取引口座引き継ぎの念書(証券会社所定の用紙)
・相続人全員の同意書(証券会社所定の用紙)
・相続人全員の印鑑証明書
・被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで連続するもの)
・相続人の戸籍謄本
・遺産分割協議書

これらの書類を証券会社に提出すれば、上場株式の名義変更は完了されます。

株式を発行している株式会社との手続

株式を発行した株式会社の株主名簿の名義変更手続きをすることになります。
通常、この手続きに関しては取引のある証券会社が代行して手配してくれます。

その際、相続人は「相続人全員の同意書」(名義書換を代行している信託銀行所定の用紙)を用意します。

非上場株式の名義変更手続き

非上場会社の株式の名義変更はそれぞれ会社によって行う手続きが異なりますので、発行した株式会社に直接問い合わせるのが確実です。

 

株式名義変更にかかる料金

株式の名義変更 証券会社ごとに株式総額の1.1%(最低報酬50,000円(税込55,000円))
※残高証明書、取引明細書の取得は1通5,000円(税込5,500円)

預貯金の名義変更手続き

よく知られていることですが、被相続人名義の預貯金は、金融機関が被相続人の死亡を確認した時点から、預金口座が凍結されます。
これは、一部の相続人が許可なく預金を引き出したりすることを防止するためです。このように凍結された預貯金の払い戻しができるようにするための手続きは、遺産分割が行われる前か、行われた後かによって手続きが異なります。
※事前にそれぞれの金融機関に確認が必要となります。

遺産分割協議前の場合

遺産分割前の場合には、以下の書類を金融機関に提出することになります。

・金融機関所定の払い戻し請求書
・相続人全員の印鑑証明書
・被相続人の戸籍謄本(出生から死亡までのものすべて)
・各相続人の現在の戸籍謄本
・被相続人の預金通帳と届出印

金融機関によっては用意する書類が異なる場合もありますので、直接どのような書類が必要になるのか問い合わせてみましょう。

遺産分割協議後の場合

遺産分割をどのように済ませたかにより、手続きは異なりますので事前にしっかりおさえておきましょう。

1)遺産分割協議に基づく場合以下の書類を金融機関に提出することになります。

・金融機関所定の払い戻し請求書
・相続人全員の印鑑証明書
・被相続人の戸籍謄本(出生から死亡までのものすべて)
・各相続人の現在の戸籍謄本
・被相続人の預金通帳と届出印
・遺産分割協議書(相続人全員が実印で押印)
2)調停・審判に基づく場合以下の書類を金融機関に提出することになります。

・金融機関所定の払い戻し請求書
・家庭裁判所の調停調書謄本または審判書謄本
(いずれも家庭裁判所で発行を受けることができます)
・預金を相続した人の戸籍謄本と印鑑証明書
・被相続人の預金通帳と届出印
3)遺言書に基づく場合以下の書類を金融機関に提出することになります。

・金融機関所定の払い戻し請求書
・遺言書
・被相続人の除籍謄本(最後の本籍の市区町村役場で取得できます。)
・遺言によって財産をもらう人の印鑑証明書
・被相続人の預金通帳と届出印

預金解約手続きの料金

預貯金の解約 口座ごとに預貯金額の1.1%(最低報酬30,000円(税込33,000円))
※残高証明書、取引明細書の取得は1通5,000円(税込5,500円)

遺産整理業務

1.遺産整理業務とは

不動産だけでなく、銀行預金、出資金、株式、投資信託、その他すべての相続財産の名義変更や財産調査、財産の現金化、相続人調査等を行います。
 
司法書士による財産管理業務は、平成14年の司法書士法改正により明文化された新しい業務です。そのため、銀行預金の解約や、証券会社での株式名義書換手続きを、司法書士が代理人としておこなえるのは、一般にはあまり知られていないかもしれません。
 
具体的に「いったい何を頼めるのかが知りたい」とのご質問も歓迎しております。お気軽にお問い合わせください。

2.遺産整理(承継)業務をお勧めしたい方

1.平日の昼間にお休みが取れない方
2.相続人が多い方や遠方に相続人がいる方
3.遺産の種類や額が複数・多額にある方
4.相続手続に少なからずストレスを感じている方
5.とにかく面倒だから、全てを任せたい方
6.不動産の処分(売却)を伴う方
7.専門家に入ってもらって、他の相続人ともめたくない方

3.サービスの内容

当事務所に遺産整理業務ご依頼いただいた場合には、下記のような手続きについてサポートをさせていただきます。
 
・不動産相続登記申請手続
・預貯金等の解約、名義変更手続
・株式、投資信託等の名義変更手続
・自動車の相続手続
・年金の手続
・不動産の売却手続
・遺品整理 等
 
※手続の性質上、相続人様ご自身で書類をご記入いただくことがあります。

4.当事務所をご利用いただくメリット(安心)

相続手続を専門にした司法書士がいる
税理士・ファイナンシャルプランナー・不動産仲介業者等各専門家との連携によるワンストップサービスのご提供

5.遺産整理業務の報酬基準

遺産整理業務とは、司法書士が遺産管理人(遺産整理業務受任者)として相続人様の窓口として、相続に関する不動産、預貯金、株券、保険金などの相続手続きをお客様のご希望に応じて一括でお引き受けするサービスです。
 
※下記報酬には、書類の作成・必要書類収集・相続登記手続き報酬が含まれております。以下の諸費用は、別途お客様のご負担になります。
 
・不動産の登記手続に関する登録免許税、謄本印紙代、郵送料等の実費
・相続税の申告が必要な場合、申告手続にかかる税理士報酬・実費
 
※遺産の種類、預貯金口座数、相続人の数、遠方への出張等の個々の事情により、別途 報酬を加算させていただく場合があります。
 

承継対象財産の価格報酬額
対象財産が 500万円以下250,000円(税込275,000円)
対象財産が500万円超― 5,000万円以下1.32 % + 190,000円(税込209,000円)
対象財産が5,000万円超― 1億円以下1.1 % + 290,000円(税込319,000円)
対象財産が 1億円超― 3億円以下0.77 % + 590,000円(税込649,000円)
対象財産が3億円超0.44 % + 1,490,000円(税込1,639,000円)

遺産分割の調停・審判

遺産を分割する場合は、相続人全員による遺産分割協議によって、解決するのが原則となっています。
 
相続人の間で遺産分割協議がまとまらない場合や、協議に応じようとしない相続人がいる場合には、家庭裁判所の遺産分割調停を利用して、解決を目指すことになります。
 
この調停というのは、家庭裁判所の調停委員が、相続人同士の意見や主張を聞きながら、調停委員は、亡くなった人への貢献度、職業や年令などを総合的に判断して、相続人全員が納得できるよう、話し合いを進めます。
 
しかし、この話し合いでも合意ができないときは、「遺産分割審判申立書」を提出して、家庭裁判所の審判で結論を出すことになります。
 
審判では調停のように、相続人同士の話し合いが行われることはなく、家庭裁判所が各人の事情を聞き取り、公平に判断して、審判を下すことになります。
 
このとき、必要に応じて相続人や遺産の内容についての事実関係を調べたり、相続人の主張の正当性を確かめることも行なわれます。
 
下された家庭裁判所の審判には強制力があり、合意できない場合もこれに従わなければなりません。

遺産分割協議の注意点

遺産分割協議、および遺産分割協議書を作成する場合、いくつか注意しなければならない点があります。
 

遺産分割協議の注意点

■必ず相続人全員で行う(必ずしも、一堂に会して話し合う必要はなく、全員が合意している内容の協議書を、郵送などの持ち回りで署名・押印する、という形をとっても良いです) 。
 
「誰が」「どの財産を」「どれだけ取得するか」を明確に記載する。
 
■後日発見された遺産(借金が出てくる場合もある)を、どのように分配するか決めておく(記載漏れがあっても、改めて協議書を作成しなくて済むため)。
 
■不動産の表示は、所在地や面積など、登記簿の通りに記載する。
 
■預貯金などは、銀行名、口座番号なども細かく記載する。
 
■住所・氏名は、住民票、印鑑証明書通りに記載する。
 
■実印で押印し、印鑑証明書を添付する。
 
■協議書が数ページにわたる場合は割印をする。
 
■協議書の部数は、相続人の人数分、及び金融機関等への提出数分を作成する。
 
■相続人が未成年の場合は、特別代理人(通常は親権者)が遺産分割協議に参加するか、未成年者が成年に達するのを待ってから遺産分割協議をする。
 
■法定代理人も相続人である場合は、互いに利益が対立することになるため、家庭裁判所に特別代理人の選任申立を行う(未成年者である相続人が複数いる場合は、それぞれ別の特別代理人が必要)。
 
■相続人に胎児がいる場合は、胎児が生まれてから作成する。
 
■形見分けは自由にできる(形見分けとは、故人の愛用の衣類や時計等、身の回りの物を分けること)。
 
■相続人の一人が分割前に推定相続分を処分した場合は、遺産分割協議にはその譲り受けた他人を必ず参加させなければならない。
 
■ 相続人の一人が無断で遺産を処分してしまったら、他の相続人は、勝手に処分した相続人に対して、自分たちの相続分を返却するよう、相続回復を請求する調停や審判を家庭裁判所に申し立てる(第三者に売却してしまった場合、第三者は何も知らずに購入したのであれば、返却する必要はない)。
 
■ 遺産分割協議上で相続放棄を主張しても、家庭裁判所の手続を取らなければ放棄できません。遺産分割上の相続放棄とは、正の財産を相続しないという意思表示であり、負の財産を相続しないことについて債権者に対抗できませんので、注意が必要です。
 
遺産分割協議は、成立した後にもう一度遺産分割協議をやり直すことが原則として出来ません。
ただし、無効、取り消しの原因となる正当な理由があれば、一部または全面的にやり直すことができます。

やり直しが認められるケース

やり直しが認められる場合としては、以下のケースが考えられます。
 
1)遺産分割時、相続人の意思表示に詐欺・錯誤・強迫などがあった場合
(例)相続人が他の相続人に騙されていた
 
2)分割後に、分割時の前提条件が変更された
(例)新たに遺産が発見された、新しい相続人が現れた
 
3)共同相続人の全員が合意により遺産分割協議を解除したうえ、あらためて遺産分割協議をする場合

相続手続きの必要書類

相続手続には、添付書類として下記のようなものが必要となります。
相手先によって変わる部分もありますが、ここでは代表的なものを掲載いたします。
 

手続き死亡者の受取人・相続人の
除住民票除籍改製原戸籍
・原戸籍
診断書手帳・証書印鑑印鑑証明住民票戸籍
会社役員の退任
会員
クレジットカード
遺族年金
寡婦年金
死亡一時金
遺族厚生年金
遺族共済年金
葬祭費
埋葬費
保険金(生保)
保険金(簡保)
不動産名義変更
預貯金名義変更・解約
株式名義変更
自動車名義変更
光熱費名義変更
電話名義変更
借金名義変更

遺産分割協議書の書き方

遺産分割協議がまとまったら、遺産分割協議書にその内容を記載します。
遺産分割協議書の書き方のポイントを押さえておきましょう。
 

用紙

紙の大きさに制限はありません。
 

押印

遺産分割協議書が数ページになるときは、法相続人全員の実印で契印してください。

法務局では、少しの記入ミスでも訂正を求めますので、できれば捨印があった方がいいでしょう。
捨印を押すのを嫌がる相続人がいるときは、チェックして間違いがないことを確認しましょう。
署名の後ろに捺印する実印は、鮮明に押印する必要があります。
 

財産の表示

不動産の場合、住所ではなく登記簿どおりの表記にしてください。銀行等は、支店名・口座番号まで書いてください。
 

日付

遺産分割協議書の相続人が署名、押印した日付は、遺産分割の協議をした日か、あるいは最後に署名した人が署名した日付を記入するようにしましょう。
 

相続人の住所・氏名

必ず、相続人本人に署名してもらいましょう。
住所、氏名は、印鑑証明書に記載されているとおりに記載します。

遺産/相続財産のあらまし

遺産や相続財産とは、亡くなった方が残した「権利と義務」のことをいいます。
つまり、遺産には、不動産や金融資産といった、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も含まれるということです。

プラスの財産

■不動産(土地・建物) ・・・宅地・居宅・農地・店舗・貸地など
■不動産上の権利・・・借地権・地上権・定期借地権など
■金融資産・・・現金・預貯金・有価証券・小切手・株式・国債・社債・債権・貸付金・売掛金・手形債権など
■動産・・・車・家財・骨董品・宝石・貴金属など
■その他・・・株式・ゴルフ会員権・著作権・特許権

マイナスの財産

■借金・・・借入金・買掛金・手形債務・振出小切手など
■公租公課・・・未払の所得税・住民税・固定資産税
■保証債務
■その他・・・未払費用・未払利息・未払の医療費・預かり敷金など

遺産に該当しないもの

■財産分与請求権
■生活保護受給権
■身元保証債務
■扶養請求権
■受取人指定のある生命保険金
■墓地、霊廟、仏壇・仏具、神具など祭祀に関するもの
などがあります。

遺産の評価をどうするか?

遺産の評価方法は、民法上、定められておらず、一般的には、時価で換算することになります。
 
ただ、遺産の評価は、評価方法により相続税の評価額が変わってきたり、民法と税法で、遺産の対象とその評価の扱いが異なるなど専門的な判断が必要です。

相続財産は、一定額を超えた場合には相続税の課税額を決定するために一定の評価がされます。評価額によって、相続できる額、税金も変わってきます。

財産をどう相続するか

それぞれの財産についてプラスかマイナスか調査し、その財産が相続人にとって必要か不要かを判断していただきます。
その判断ができたら、次に相続するかどうかを決めます。
 
相続の方法は次の3つしかありません。
 

相続財産を単純承認する

すべての相続財産をそのまま相続する選択です。
このまま具体的な相続手続きに進みます。
 

相続財産を放棄する

何も受け継がない選択で、これを相続放棄・遺産放棄と呼びます。
マイナスの財産の方が多いときに、よく選択される方法です。
相続が開始したことを知った日から3ヶ月以内に、家庭裁判所に対して相続放棄の申立をします。
 

相続財産を限定承認する

財産が差し引きでプラスであれば、プラスの部分だけ相続する選択です。
相続が開始されたことを知った日から3ヶ月以内に、家庭裁判所に対して限定承認の申立をします。
 
一見この手続なら安心に思われますが、共同相続人全員が共同して申し立てなければならず、一人でも単純承認した相続人がいると申し立てが出来ないため、実際には困難を伴うこともあるようです。
 
なお、相続財産の使い込みや隠匿も単純承認とみなされますので、後から共同相続人の一人が財産をごまかしていたことがわかると大変なことになります。
 
単純承認をした場合、次のステップとして相続放棄をしなかった相続人の間で財産の分け方を決める話し合いをします。

法定相続と相続人

相続が発生し、被相続人が遺言書を作っていなかった場合、法律で決められた財産の分配ルールに従って、遺産分割をしていきます。
これを『法定相続』と呼びます。
 
(遺言書がある場合は、遺言書の内容が優先します。)
相続の順位、割合は、以下のように決まっています。

法定相続人の順位ならびに割合

法定相続の順位割合はならびに以下のように決められています。
 

順位法定相続人割合
子と配偶者子=1/2 配偶者=1/2
直系尊属と配偶者直系尊属=1/3 配偶者=2/3
兄弟姉妹と配偶者兄弟姉妹=1/4 配偶者=3/4

 

  • ■配偶者は常に相続人となります。
  • ■直系尊属は、子がいない場合の相続人となります。
  • ■兄弟姉妹は、子と直系尊属がいない場合の相続人となります。

相続人調査

相続人は大きな財産を手にすることもありますので、今まで会ったこともないような相続人が突然現れたり、本来ない権利を主張する人が現れることも少なくありません。

正しい手順で、相続人を調査する必要があります。
正しい手順は、以下のとおりです。

 

  • 1)亡くなった方の「戸籍謄本」「除籍謄本」「改製原戸籍」等を、出生から死亡まですべて取得します。
  • 2)通常、この段階で両親と子供、配偶者が確認できます。
  • 3)子供(代襲者を含む)がいない場合は、両親を初めとする直系尊属が相続人になりますので、必要に応じて戸籍等を取得します。
  • 4)直系尊属が全員亡くなっている場合は、兄弟の戸籍等も取り寄せて調査します。
  •  

    相続調査でよく発生するのは、相続人の人数が当初の想定より遥かに多かったり、聞いたこともない名前が出てくるといったケースです。

    このように相続人調査が正確でなかった場合、後から本来の相続人が出て来て、相続権の回復を請求され、全てやり直しになる可能性があります。
    こじれると訴訟に繋がることも考えられます。

    相続人は全国各地にお住まいの場合も多く、場合によっては海外にいらっしゃることも考えられます。

    相続が発生した直後に、全ての相続人の戸籍を集める作業も、かなりの負担です。

民事信託・家族信託

民事信託(家族信託)を活用した複雑な相続の生前対策

相続の生前対策には、相続税の節税・納税を目的としたものや、相続人(相続を受ける人)が相続発生後にトラブルに巻き込まれるのを防止することを目的にしたものなど、様々なものがあります。
 
その方法として、遺言や財産の生前贈与などがあります。また、認知症などにより判断能力が衰えた場合にそなえて、あらかじめ財産の管理を第三者に依頼する方法として、成年後見制度などがあります。

遺言や生前贈与、成年後見では対応できない生前対策

通常の生前対策は、遺言や贈与で十分目的を果たすことができますが、複雑な相続関係の生前対策や、特殊な生前の財産管理などは遺言や贈与、成年後見では対応できないケースもあります。
 
例えば、次のような場合です。
・自分の資産を二世代に渡って相続させる
・贈与した財産を特定の目的に使ってもらう
・贈与は生前にしておいて贈与した財産の管理自体は自分で行う
 
このような場合は最近注目をされ始めている“民事信託(家族信託)”という方法が有効です。

民事信託(家族信託)とは

超高齢化社会に突入した近年、認知症などで自分の財産の管理ができなくなるリスクに対応するため、新しい財産管理の方法として「民事信託(家族信託)」という管理手法が注目されています。
 
信託とは財産を信頼できる人(あるいは会社)に預けて、預ける目的に従って管理してもらうことです。
 
つまり、財産所有者が、意志判断能力を失い、資産の売却や活用が法的に難しくなることに備え、事前に親子等で資産の管理、活用の民事信託契約を結ぶ財産管理の方法のことを民事信託といいます。
 
一般的に信託というと信託銀行をイメージされるかもしれませんが、一般の方でも信託を受けること(財産を預かること)が可能です。

信託でできること

信託を活用すると、例えば以下のようなことが可能になります。
 
・親族(例えば未成年の息子や高齢の親)の財産を本人に代わって管理する
・自分が死亡した後に発生する、自分の相続人の相続(二世代先の相続)を指定する
・資産を贈与した後に、贈与された人が無駄遣いしないよう、贈与した人が引き続き贈与した財産を管理する
・子供に贈与したことを、その子供に知らせずに贈与する

相続対策あれこれ

トラブルを予防するために効果的な方法の一つが、生前贈与です。
 
生前贈与は生きているうちに自分の意思を明確にするという意味では遺言と同じ効果がありますが、遺言と異なるのは、ご自分の財産を実際に与えるという行為を伴うことです。
 
贈与者本人は自分の意思で与える事を確実にすることができ、また贈与時点においてその理由や気持ちを直に伝えることも可能ですし、それを受けた人も、感謝の気持ちを直接伝えることができます。
 
相続税は、基礎控除・配偶者に対する税額減税措置・小規模宅地の特例、などさまざまな軽減策が取られているのが特徴ですが、相続時精算課税制度を選択することも有効です。
これは贈与者が65歳以上の親で、受遺者が20歳以上の子である推定相続人のである場合に、贈与財産の価額から特別控除として受遺者ごとに2,500万円が、相続時に精算される制度です。

遺言の効用

そもそも相続財産は、遺言者本人の物です。
 
生きている間はご自分が自由に処分できたはずですし、ご自分の死後、財産を誰にどの位譲るかも、遺言者の自由です。
 
ですから遺言は遺言者の最終意思として最大限度に尊重され、その意思が明確な場合は、相続人はその意思に従って財産の分配を受ける事になります。
 
相続人は遺言者の意思に反する財産争いをすることはできないはずです。
 
遺言ではご自分の意思にて財産の配分等ができますが、遺言には方式や要式に規定があります。
 
法的な不備があると遺言をする意味がありませんので、財産の内容やそれをどのように分割できるかや、遺留分への配慮などについては、事前にご理解した上でないと逆効果になりかねません。
 
配偶者がいる方は、一旦一切の財産を配偶者に相続させるとの内容と、付言のその配分をした理由や心情を記載した遺言を残されることをお薦め致します。
 
法定相続の第一順位である直系卑属(被相続人の子供)が最も理解し易い内容です。

生前贈与


生前贈与とは、被相続人が死亡する前に自分の財産を人に分け与える行為です。
個人の財産は、各個人の意思により自由に処分できるのが原則です。

また生前贈与は、将来負担すべき相続税を抑えるという目的のために利用されます。

生前贈与の注意点

生前贈与の際の注意点として、次の4点を確認する必要があります。
 
1. 贈与税と相続税の節税額の分岐点を確認しておくこと
2. 遺産分割のトラブルとならないように注意すること
3. 贈与契約書を作成し公証人役場で確定日付を取っておくこと
4. 相続開始前3年以内の相続人に対する贈与は相続財産として加算されることを確認すること
 
以上の4点です。

生前贈与の方法

次に実際の生前贈与のやり方を見てみます。
贈与税は暦年課税で、1年間に基礎控除額が110万円です。
 
つまり、年間で110万円以下の贈与については課税されず、申告も不要ですので、一番シンプルな生前贈与の方法だといえます。
 
生前贈与を活用した節税対策には、110万円の基礎控除を最大限利用することのほかに、配偶者控除を利用する方法があります。
 
条件は、婚姻期間20年以上の配偶者からの贈与であることと、居住用不動産または、居住用不動産を取得するための金銭の贈与であることです。
 

2000万円まで課税価格から控除できます。
 
相続税は、5000万円+1,000万円×法定相続人数という基礎控除や、配偶者税額軽減などの措置が取られているために、かなり多額の遺産総額の見込みがないと発生しないので、生前贈与などが税制上効果を生むケースはごく少数といえるかもしれません。
 
一般のサラリーマン家庭においては、生前贈与が相続税対策に役立つかどうかは定かではありません。
というのも、相続税には税金のかからない基礎控除や、配偶者税額軽減などの優遇措置があるからです。
 
相続税対策として生前贈与を活用するには、まず被相続人の資産状況の把握が必要です。
生前贈与していても実は税金がかからない状況だった、ということになっては意味がありません。
 
この制度がよく使われる場合としては、不動産・土地の相続等、多額の金額が動く時です。
この場合には、税金に詳しい人でもしっかり確認しておいてください。

後見

成年後見の申立て

成年後見制度は知的障害、精神障害、痴呆などにより判断能力が十分でない方が、不利益を被らないように家庭裁判所に申し立てをして、その方を援助してくれる人を付けてもらう制度です。
 
例えば、一人暮らしの老人が悪質な訪問販売員に騙されて高額な商品を買わされてしまうなどといったことを最近よく耳にしますが、こういった場合も成年後見制度を上手に利用することによって被害を防ぐことができる場合があります。

後見人の役割

財産管理

・預貯金による入出金のチェックと必要な費用の支払い
・所有不動産の管理
・後見費用捻出のための不動産などの売却
・管理の必要上、必要であれば訴訟行為を行うこと
・確定申告や納税
 

身上監護

・治療、入院に関し病院と契約すること
・健康診断などの受診手続き
・住居の確保(賃貸借契約)をする
・施設などの入退所に関する手続き
・施設や病院の処遇を監視し、本人に不利益がある場合は、改善要求する
・介護サービスが契約どおりか確認し、異なる点がある場合は、改善要求する
・教育・リハビリに関する契約をする
・訪問などにより本院の状況に変更がないか「見守り」をする
 

家庭裁判所への報告

・1年に一度の収支報告
・財産を処分したり、財産管理の方針を大きく変更するとき(遺産分割・相続放棄)
・本人の入院先・氏名・住所・本籍、又は成年後見人の住所・氏名が変わったとき
・療養看護の方針を大きく変えるとき
・本人死亡時の成年後見登記申請
・財産目録の作成
・財産の引き渡し
・終了報告
 

申立に必要な書類と費用

成年後見制度を利用するには本人の住所地の家庭裁判所に申し立てをする必要があります。
 
申し立ての必要な書類と費用はおよそ以下のとおりですが、事案によって多少異なります。
 
・申立書
・申立人の戸籍謄本1通(本人以外が申し立てるとき)
・本人の戸籍謄本、戸籍の附票、登記事項証明書、診断書各1通
・成年後見人候補者の戸籍謄本、住民票、身分証明書、登記事項証明書各1通(候補者がいる場合)
※身分証明書は、本籍地の役所が発行する破産宣告を受けていない旨の証明書のことです。
・申立書付票
・本人に関する報告書
 
また、費用としては以下のものがかかってきます。
 
1)収入印紙
2)切手
3)登記費用
4)鑑定費用

遺言

遺言とは,遺言者の最終の意思を表したものです。自分の財産について、誰に何を相続させるか、自由に決めることができます。
 
さらに, 財産に関する事項以外にも遺言で定めることができますが,遺言の内容に法律効果をもたらすことができる事項は、法律で決まっています。
 
この事項を『遺言事項』といいます。
 
なお、遺言は被相続人ごとに作成します。
 
また、遺言は、文字で残すことを原則とし、後日の改変が可能なビデオテープや録音テープなどは認められていません。
 
遺言の種類には、大きくわけて自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言があります。

自筆証書遺言

本人が、本文の全文・日付・氏名を自筆で書いた書面に捺印したものです。
 
用紙は何でも構いませんが、ワープロ文字や代筆は認められず、必ず自分で書くことが必要となります。

公正証書遺言

公正証書遺言は、遺言者本人が公証人役場に出向き、証人2人以上の立会いのもとで、遺言の内容を話し、公証人が筆記します。
 
そして公証人は、記録した文章を本人と証人に読み聞かせたり、閲覧させたりして筆記の正確さを確認し、それぞれの署名・捺印を求めます。
 
これに、公正証書遺言の形式に従って作成した旨を公証人が記載し、署名・捺印して完成します。
 
なお、言葉の不自由な人や耳の不自由な人の場合は、本人の意思を伝えることのできる通訳を介して遺言を作成することができます。
 
また、相続人になる可能性のある人(推定相続人)、直系血族、未成年者、受遺者などは、公証人役場での証人になることはできません。

秘密証書遺言

本人が公証人役場に出向いて証書に内容を記載して署名・捺印した上で証書を封じ、同じ印鑑で封印をします。
 
この証書を公証人1人と証人2人以上の前に提出し、自分の遺言である旨を告げ、住所氏名を述べます。
 
それを公証人が封紙に日付と共に記録し、本人と証人と共に署名捺印して作成します。
 
公正証書遺言と同じように公証役場で作成するのですが、遺言書の内容を密封して、公証人も内容を確認できないところが相違点です。
 
自筆証書遺言と秘密証書遺言は、作成時点でその内容を本人以外に知られることがなく、プライバシーを守ることができますが、本人の死後に家庭裁判所で検認の手続きが必要となります。
 
検認の必要がないのは、公正証書遺言の場合だけです。
 
危急時遺言とは、病気等の理由で死が間近に迫っている場合に、3人以上の証人に対して遺言の内容を伝え、証人の1人が筆記等をすることにより作成する方式の遺言です。
 
この場合、親族などが筆記したものは、歪曲の恐れがあるため認められません。
この場合の証人も、公証人役場での証人資格と同様です。
 
これは緊急的な措置で、本人が健康でしっかりした意識状態で遺言作成することが望ましいです。

自筆証書遺言と公正証書遺言の比較

公正証書遺言自筆証書遺言
メリット○家庭裁判所での検認手続が不要
○死後すぐに遺言の内容を実行できる
○原本は公証役場に保管されるため、紛失・変造の心配がない
○手軽でいつでもどこでも書ける
○費用がかからない
○誰にも知られずに作成できる
デメリット●証人が必要である
※成年者であることが必要で、
推定相続人やその配偶者、
ならびに直系血族等はなれない

●費用がかかる

●不明確な内容になりがち。
●形式の不備で無効になりやすい
●紛失や偽造・変造、隠匿のおそれがある
●家庭裁判所での検認手続が必要

生前準備の基礎知識

円満相続の準備

うちの子供たちに限って、もめることはない
 
そう考え続けて、何も対策をしなかったばかりに、ドロ沼の相続問題に繋がることは少なくありません。
 
むしろ、いま起こっている相続問題の大半は、こういったご判断が原因になっているかもしれないのです。
 
相続におけるトラブルが発生する原因は、相続人・被相続人・その他親族の言動や状況による、各相続人の事情や見解の差によるものです。
 
たとえば、
・相続財産の大半が不動産で、各相続人への分割可能な財産がない
・相続財産全体がつかめない(財産目録が無い場合や、不正確な場合)
・相続財産が相続人の予想を超えて多い、または少ない
・被相続人が特定の相続人に多額の贈与をしていた
・相続人に、後妻、養子、非嫡出子などがいる
・相続人以外の人が遺産分割協議に口出しする
・相続税が思った以上に発生してしまい、手元のお金が不足してしまういま、現時点では想像もつかないトラブルが、相続では発生してしまうのが現実です。
 
もちろん、相続人の方だけに原因があるわけではなく、ご自身にも考えもしなかったことが発生するかもしれません。
 
認知症になることにより、財産管理・処分の意思能力がなくなった場合、上記のような問題は、さらに複雑さを増します。

財産をどう相続するか

遺産相続争いは、親族間で取り返しのつかない不幸な結果を招きかねません。
 
それ以外にもこんなデメリットがあります。
 
・時間をいたずらに浪費する
・精神的にも体力的にも消耗する
・余計なお金がかかる
・遺産分割後にしなければならい手続きが遅れる
・分割を条件とする相続税法上の特典が受けられない
・相続人同士の関係自体が修復できない
 
相続争いをしている間に、時間もお金も精神も浪費する事になります。

ケース別相続トラブル予防法

遺産の分け方に関するトラブル

→大半は、正しく遺言を作成し、執行すれば防げるとされています。
ただ、相続人の間では全く問題がなくても、ご自身の意思が全く反映されないようなケースも発生しないとは限りません。
 
遺言執行、死因贈与契約などを組み合わせるなど、いま置かれた状況をよく判断して、予防をすることが望ましいでしょう。
 

納税に関するトラブル

→これまでの莫大な財産を、2,3代の相続税で半分にしてしまった・・・
なんて言うことは、日本において少なくありません。
 
遺産の分け方の次に重要なのが納税対策です。納税対策は専門家の力を借りたほうがスムーズです。
当事務所では経験豊富な専門家を紹介いたしますのでご安心下さい。
 

相続税対策

→上記の納税対策とは違った観点で、やはり負担の大きい相続税をなるべく減らしたいという要望は年々増えています。
 
一般に、税理士が10人いれば、相続税の計算結果も10通りと言われるくらい、相続財産の評価は難しいのが現状です。
不安であれば、生前にやるべきことは多くあると言われています。
 

認知症になったときのための対策

→最近話題の「オレオレ詐欺」のように、詐欺事件や悪徳商法では、高齢者がその被害者となっているケースが非常に多くあります。
 
認知症になった後、またなる前から、成年後見制度などを利用して、詐欺などにより重要な財産を失わないような対策をしておく方は年々増えています。
 
また、最近は財産管理委任契約や、ホームロイヤー契約など、認知症になる・ならないに関わらず、財産・契約保全のための手段が採られるようになりました。

相続放棄と限定承認

相続放棄とは

「相続放棄」の言葉の意味は文字どおり、「相続権を放棄する」というものです。
 
つまり、親や親族から遺産を受け取らないという事です。
(もっと正確に言うと「元々相続人ではなかった」ということになります。)
 
相続放棄を正しく理解するためには、もう少し「相続」を理解する必要があります。
 
そもそも相続とは、配分は別として「不動産」や「現金」などのプラスの財産の他に、借金などのマイナスの財産も自動的に引き継ぐことです。
 
つまり、亡くなった方が生前に借金をしていた場合や、連帯保証人になっていた場合などに、金融機関から亡くなった方(被相続人)の相続人に対して、借金の返済(債務弁済)を求められるのです。自分とはまったく関係ない借金でも支払い義務が相続によって発生してしまうのです。
 
そこで、「相続放棄」という手法が確立されたのです。そして、相続放棄さえしてしまえば、大手メガバンクなどの金融機関であろうと、税務署だろうと借金の支払いに応じる必要は一切なくなるのです。
 
さて、この相続放棄ですが、家庭裁判所に相続放棄を認められませんと法的効力がありませんので、申請が必要になってきます。自筆で「相続放棄をします」と書いても誰も認めてくれません。
 
相続放棄をするためにはいくつか注意点がありますのでまとめますと、
 
1. 相続放棄をするためには相続開始(被相続人の死亡日の翌日)から3ヶ月以内に家庭裁判所に申請をする必要があります。(この期間は伸長可)
 
2. 一人が財産放棄をすると、相続は借金も含め法律で定められた相続の順位に従って、どんどん巡り巡って、責任(借金返済の義務)が転嫁されます。
 
3. 相続する財産を選ぶことはできません。
「全て相続する」か「全て放棄する」ことしか選ぶことはできません。
 
自分の家族や親戚などが大借金などを作っているなどの話を聞いた場合には注意が必要ですし、調査が必要です。
 
疎遠な親戚のために借金を背負ってしまい、自分の大事な人生がめちゃくちゃになってしまってはかないません。
 
また、ご自身で手続きをする場合でも、陳述書の書き方があいまいで、いい加減な憶測で判断されてしまうと、家庭裁判所に相続放棄の申し立てが受理されないこともございます。
 
このような人生を変えてしまうリスクを確実に回避するためにも、相続放棄の専門家である司法書士に調査、手続きを依頼されることをお勧めします。

相続放棄の手続きの流れ

1)戸籍等の添付書類を収集
 ※放棄申述人の間で使いまわすことが可能です。
   前件で放棄に使った戸籍も使い回しが可能です。
 
2)相続放棄申述書を作成
 
3)家庭裁判所へ相続放棄の申立
 
4)家庭裁判所からの照会
 ※照会書と回答書が郵送されてきます。
   ここで申述意思と具体的な事情が問われますので、それに回答します。
 
5)家庭裁判所で相続放棄の申述が受理
 ※内容に問題が無ければ、相続放棄の申述が受理されます。
 
6)家庭裁判所から申述受理通知書が届く
 ※通知書が届けば、一旦手続きは終了です。
   あとは、必要に応じて、7)の手続きを取る必要があります。
 
7)相続放棄申述受理証明書を請求する
 ※債権者から証明書を求められることがあります。
   通知書を持って、裁判所へ行くと150円(印紙)で証明書の発行が受けられます。
 
上記の流れの中で、相談者の皆様にネックとなっているのは、①戸籍の収集、②照会書の記載への不安、の2点が多いです。
 
単純な場合はそれ程問題にはなりませんが、ご兄弟からの相続放棄であったり、熟慮期間経過後の放棄等の場合は、事案が複雑化します。

相続放棄の必要書類

■相続放棄申述書
■被相続人の戸籍・除籍、住民票の除票
■申述人・法定代理人等の戸籍謄本
■申述人1名につき収入印紙800円、郵便切手

相続時の不動産問題

相続時には、良くも悪くも不動産が問題になります。
あまり難しく考えると話が細かくなってしまいますので、ここでは簡単に2つの問題を考えてみたいと思います。
 
1.不動産が相続税対策に!
2.不動産が争族のもとに!
 
1.は場合によっては良い話、2.は悪い話です。
1.が2.を生んでしまうケースもあります。ここでは、両方を簡単に掴んで頂きます。

不動産が相続税対策に!

不動産を節税対策に使うというのは、簡単に言ってしまえば「評価を下げる事ができるかもしれない」ということです。
お金はいつの時代も絶対評価です。もちろん、インフレ等による相対的な経済価値の低下はありますが、時間が経つと価値が無くなっていくようなものではありません。
しかし、不動産については価値の変動があります。最近は不動産価値が大きく目減りしていますから、実感頂けるのでは無いかと思います。
また、上記に、場合によっては良い話とさせて頂いているように、裏目に出るケースもあります。
例えば、値段が急上昇してしまったら、面倒な事が起きる可能性もあります。

不動産が争族のもとに!

この点は、ズバリ「分割できない」からです。
売って現金化してからなら、綺麗に分けることもできるかもしれませんが、不動産をそのまま相続する時には、切り分けることができません。

分けられないケース

典型的なのは、相続人の一部の方がご両親と同居されているケースです。
この場合、ご両親が無くなって相続が発生すると、当然、同居されていた相続人は、生活の拠点である居住不動産の取得を主張されると思います。
しかし、不動産の価値が1000万円で、預貯金が200万円、ご兄弟が2人だったらどうでしょう。 それぞれの法定相続分は600万円ですから、不動産を引き継がない兄弟は相続分が少なくなります。
さらに人間心理を考慮すると、不動産に居住していた相続人にとって、不動産を得ることに財産取得の感覚がありません。単に、預貯金を失ったような感覚になります。
そうすると、同居人は全ての財産の取得を主張しますし、他の相続人は少しでも法定相続分に近い金額の相続を望みます。争族が発生してしまうことになります。 不動産の問題を知っておきましょう。
以下のページは、不動産の問題に対するそれぞれのテーマを説明しております。 是非ご一読ください。

相続税申告

相続税は、相続または遺贈により財産を取得した場合にかかります。

相続税には基礎控除があり、遺産の評価額が基礎控除の金額以下であれば相続税は課税されず、税務署に対する申告も必要ありません。

また、評価額が基礎控除を超える場合でも、税務上の特例(配偶者控除、小規模宅地の評価減)により、相続税がかからないケースもあります。

基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

相続税の申告

相続開始を知った翌日から10ヶ月以内に相続税の申告を行う必要があります。

申告書の提出先は、亡くなられた方の死亡時の住所地の管轄する税務署です。
相続税は、原則的に金銭で申告期限までに一括で納付しなければなりません。

例外としては、「延納」と「物納」という方法があります。

延納とは、金銭で納付することが困難な場合に、担保提供を条件に元金の均等年払いが可能となる制度です。

物納とは、延納も難しい場合に、 相続財産を現物で国に納付する方法です。
1)国債や地方債、不動産、船舶
2)社債、株式、有価証券
3)動産
といった順番で納付することが定められています。

相続税の計算

相続税の計算は以下の式で行われます。

・相続税の課税価額=遺産総額-非課税財産-債務・葬式費用+相続開始前3年以内の贈与財産

相続税の総額は、法定相続人が法定相続割合で遺産を分割したものと仮定して、相続税を各相続人について計算し、合計を算出して求めます。
そして、その総額を実際の割合で按分して各相続人が負担することになります。

また、配偶者や未成年者など、相続人に応じて控除や加算が行われます。

※相続税の相談は提携税理士が担当します。

相続に関わる手続き

相続発生後に必要となる手続きは、様々なものがあります。
 
ここでは、その中でも大半の方に当てはまるものをご紹介いたします。
 
中には、緊急性のあまり高くないものも含まれますが、後回しにし、別の相続が発生してしまい、手続きが複雑になってしまうというケースが多々あります。
 
後回しにせず、一緒に全て手続きしてしまうことをオススメいたします。
 

▼預貯金の名義変更
よく知られていることですが、被相続人名義の預貯金は、金融機関が被相続人の死亡を確認した時点から、預金口座が凍結されます。
 
このように凍結された預貯金の払い戻しができるようにするための手続きは、遺産分割が行われる前か、行われた後かによって手続きが異なります。
 
▼株式の名義変更
相続人が相続する財産のなかに株式があり、不動産の名義変更と同じように、名義を変更する必要があります。
 
株式の名義変更は、被相続人名義の株式が上場している株式か非上場の株式かによって手続きが異なります。
 

▼遺族年金の受給
遺族年金は遺族にとって大切な生活の資金です。
どれだけ支給されるかを把握し、受給忘れのないようにしましょう。

遺産分割協議

遺産分割の種類

相続が開始すると、被相続人(亡くなった人)の財産は相続人に相続されます。
 
その財産はいったん相続人の全員共有財産となりますが、そのままでは各相続人の単独所有とならないため、相続人の間で遺産分割を行うことになります。
 
遺産分割はまず、被相続人が生前に遺言で指定する「指定分割」に従います。
遺言がない場合は、相続人全員の協議による「協議分割」により行うことになります。
相続人間で遺産をどのように分割するかは以下の方法があります。
 

指定分割

→被相続人が遺言によって指示した分割方法で、まずはこちらが最優先です。
 

協議分割

→共同相続人全員の協議により行う分割方法です。
全員の参加と同意が必要で、一部の相続人を除外したり、無視をした場合は、協議は無効になります。
ただ結果的にどのような内容の分割になっても、お互い意見が一致して決定した分割であれば協議は有効です。
 

現物分割

→遺産そのものを現物で分ける方法です。
現物分割では、各相続人の相続分を均等に分けることは難しく、相続人間の取得格差が大きくなることもあります。その際は、その差額分を金銭で支払うなどして代償を付加します。
 

換価分割

→遺産全部を売却して現金に代えて、その現金を分割するという方法です。
現物をバラバラにすると価値が下がる場合などは、この方法が採られます。
 

代償分割

→遺産の現物を1人(または数人)が取り、その取得者が、他の相続人に対し相続分相当を現金で支払うという方法です。
 

共有分割

→遺産を相続人が共有で所有する方法です。
共有名義の不動産は、この後の利用や売却などに共有者全員の同意が必要です。
 
遺産分割の話し合いがまとまれば、必ず遺産分割協議書を作成しておくようにします。
 
後日のトラブル防止の意味合いもありますが、遺産の中に不動産があった場合、所有権移転の登記の際に必要となりますし、預貯金を引き出す場合にも必要となるケースがあります。

相続の基礎知識

相続が発生したら

相続において最もトラブルが発生しやすいのは「遺産相続」です。
遺産相続でトラブルとなるポイントは、実はほとんど決まっています。
 
それにもかかわらず遺産相続のトラブルが絶えないのは、そのポイントをスムーズに処理するための、専門知識が必要になるからです。
ですからそのポイントを押さえ、初期の段階で適切に対処することができれば、問題の解決はそう難しいものではなくなります。
 
本HPを利用してトラブルのポイントをおさえましょう!

遺産相続でトラブルになりやすい3つのポイント

1.誰に(相続人と相続分)

・誰が相続人になるのか?
・自分はどれだけ相続できるのか?
・相続人間の不公平を調整するには
→詳しくは法定相続のページへ
 

2.何を(遺産)

・何が遺産になるのか?
・遺産の評価の仕方は?
・借金がある場合はどうなるのか?
→詳しくは相続財産のあらましのページへ
 

3.どう分けるか?(遺産相続の方法)

・どんな分け方があるのか?
・自分にはどの分け方がよいのか?
→詳しくは遺産分割の基本のページへ