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不動産の名義変更

相続登記は、相続した財産の登記上の名義を書き換える手続きです。
 
詳しく相続登記の説明をするまえに、前提となる登記制度を簡単に説明する必要がありますので、まずはそちらからお話させて頂きます。
 
登記制度にはいくつか重要な原則があります、今回はそのうち2つを説明させてもらいます。
 
①権利関係の変動を適正に表示するという原則
 
特殊な場合を除いて、権利の動きは全て登記情報に表現していく必要があります。
具体的には、「年月日売買」、「年月日相続」等のような独特の表現を用いて、いつ・誰が・どのような原因で不動産を取得したのか、というような権利の変動を表示します。
 
②権利に対抗力をあたえるという原則
 
登記には、『対抗力』という、自分が所有者であることを主張することのできる力があります。
 
例えば、土地を買った場合です。登記をしておかないと他人にはそれがわかりません。その為、さらに他の人に売られてしまう(2重売買)事があます。この場合、真の所有者として優位に立つことができるのは、先に買った者ではなく、先に登記を備えた者になります。この自分を優位に立たせてくれるのが『対抗力』の効果であり、登記の役割になります。
 
これらの原則が有るため登記制度は利用されています。特に、自己の権利保護としての登記活用は、取引社会において重要な役割を担っています。
 
相続登記に関しても、権利変動を明確にしなければならないため、①の原則どおり登記をする必要があります。この点は、普通の登記と同じです。
 
但し、②の原則である、対抗力については異なる点があります。相続という権利変動は、発生によって当然に起きるものであり、特に登記をしなくても、登記に表示されている人物の相続人であることが証明できれば、それで権利が確認できてしまいます。もちろん例外はありますが、対抗力を得るという意味では必要性の薄い登記だと言えるわけです。
 
この、対抗問題として登記が不要な点、登記に期限や罰則が無い点、手続きが複雑で費用がかかる点、等が相続登記が放置される事に繋がっています。

相続登記しなくても問題ない?

では、「相続登記をしなくても良いのか?」と言えば、そういうわけではありません。
 
権利変動を表現する必要があるわけですから、遅かれ早かれ必ず登記は必要です。①の原則が存在するため登記そのものを省略することは不可能なのです。
 
それなら、「実際に登記が必要になった時にすれば良いのでしょうか?」
 
この点は、正直に言わせて頂ければ、そうだとも言えます。
 
しかし、専門家の立場で言えば、「可能な時にさっと登記しておく方が安全なので、できる時にパッとやっておくほうが良いでしょう」という事になります。
 
つまり、相続登記を放置すると、一定のリスクがあるというわけです。そのリスクをご説明しましょう。
  
リスク① 権利関係の複雑化
相続が何度も発生してしまうことで、相続人が増えてしまいます。一世代から二世代も放置されると、事例の複雑さ、相続人の数、専門家報酬、等も跳ね上がります。自分で実行はおろか、専門家でも登記までこぎつけるのが困難になるケースもあり、手続自体に数ヶ月から1年くらい時間がかかることも少なくありません。採算が取れず、専門家が受任しない場合、ずーーーーと放置するしか無くなってしまいます。
 
リスク② 儲けの機会を逃す
不動産を高価で売却できるという時に、相続登記が必要だったため、時間的な制約から話が流れてしまうというケースです。もちろん、稀なケースではありますが、起こってしまうと残念です。
 
リスク③ 相続人の事情や体調の変化
これが最大のリスクです。相続が発生しなくても、相続人の意見、事情、体調等は時間の経過とともにどんどん変化します。僅か数年間の変化でも次のような問題に発展します。
「全部長男でいいよと言っていたのに話が変わった、何か方法は無いか?」、「相続人の一人が認知症になってしまった、この場合はどのような手続きをとるのだろう?」、「一人行方不明になった者がいるが、この場合はどうすれば良いのだろう?」、これらのケースの相談は現実に多いのです。
 
ちなみに、これらのケースでの対処方法をあげると、「話が変わった場合」は調停や裁判等が必要になる事もあります。「認知症になる」と成年後見人の選任をして遺産分割協議を剃る必要があります。「行方不明」になると、なんと7年待って失踪宣告が必要にることもあります。どれも専門家が依頼としてお話を頂いてもゾッとする大変さです。
 
どうでしょう? できる時に相続登記を済ませておくことの安全さがわかって頂けたでしょうか?

相続登記の手続き

次に、相続登記手続きの流れをご説明します。基本的に、以下の順序に従って手続きを取ります。
 
①財産調査
②戸籍収集
③相続関係説明図作成
④遺産分割協議書作成
⑤相続登記申請
 
ひとつひとつ説明します。
 
①財産調査は、名寄帳を役場で取得して、被相続人の財産を調べたり、部屋や本人の遺品を調査したりします。他にも、公証人役場へ遺言が無いかを確認することも重要です。
 
②戸籍収集については、被相続人の死亡戸籍からたどって、順番に収集します。必要になる戸籍、戸籍の附票、住民票などを説明しておきます。
 まず、被相続人(亡くなった人)の生れた時から死亡の時までの戸籍が全て必要になります。次に、相続人の現在戸籍がそれぞれ必要です。被相続人の登記記録上の住所と、死亡時の住所が異なる場合は、住所の移転を証明するために、戸籍の附票を取得いたします。最後に、財産を相続する人の住民票が必要になります。
 
③収集した戸籍をもとに、相続関係説明図を作成します。この書類は、戸籍の原本を返却してもらう為のものです。基本的に添付が求められます。
 
④遺産分割協議書の作成をします。それぞれが署名をして、実印にて押印し、印鑑証明書をセットにしておきます。遺産分割の文言の中に、「他の財産は全て〇〇へ・・・」のような包括的な文言がある場合は、思わぬ財産が出てきて、同じ協議書を将来もう一度利用するかもしれません。協議書は印鑑証明とセットで使う必要があるため、できれば一緒に保管したほうが便利です。
 
⑤最後に、相続登記の申請書を作成し、定められた方法で、戸籍や説明図、協議書と一緒に登記申請します。この申請書の作成くらいであれば、法務局へ尋ねると指導を受けることができると思います。戸籍の収集や協議書の作成までになると、「司法書士さんへ相談して・・」となるケースが多いようです。

専門家の相続登記

ここからは、専門家が便利な点のお話をさせて頂きたいと思います。
 
専門家の利用が便利な点は、戸籍の収集がもっとも大きいです。
 
少し遠方の戸籍を収集する場合は、郵送による戸籍収集になりますが、ややこしいのは、戸籍を取得したい者(申請人)と、戸籍に載っている者の関係を証明していく必要があることです。
 
戸籍は、基本的に、配偶者や親子ぐらいの極めて近い親族での取得を除けば、他人が簡単に取得できるようにはできておりません。基本的に、戸籍を付けて関係を証明して取得する必要があります。毎回同じ証明が必要になりますから結構面倒な作業です。
 
その点、専門家は、職権による戸籍収集が認められており、迅速な戸籍収集が可能になります。
 
また、協議書の内容についても、専門家ならでは経験則が活きてきます。もう一度利用する可能性や、手続きに合わせた簡便な協議書のあり方を模索し、最も合理的な形で作成いたします。
 
素人が作成されている協議書の場合、内容不備の為に、あとでもう一度同じ物を作成し直す必要があるケースがあります。ただ、作れば良いのではなく、同じように全員の実印と印鑑証明が必要になりますから、上記のリスク①と③と同じリスクを背負ってしまいます。
 
例えば、遺産分割協議書を分割した形になる、「遺産分割証明書」を利用し、遺産分割協議書への署名、押印を一人一人の手続きへと変えてしまう事等があります。相続人同士の居住地が離れた場合でも、一枚の協議書を回して、いたずらに時間をかけるということ無く、迅速に遺産分割を整えることが可能になります。

相続登記にかかる費用

当事務所での相続登記にかかるサポート費用は次のとおりです。
 
戸籍収集 : 10通までは10,000円(税込11,000円) 11通目以降、1通あたり2,000円(税込2,200円)
 
相続関係説明図作成 : 10,000円(税込11,000円)※
 
遺産分割協議書作成 : 20,000円(税込22,000円)※
 
相続登記申請書作成、申請代行 : 50,000円(税込55,000円)※
 
それに合わせて、登録免許税という税金がかかります。こちらは、税金なのでどの事務所でも共通の話になりますが、計算方法をあげておきます。
 
その年の固定資産の評価額 × 1,000分の4 = 登録免許税
 

不動産をお持ちの場合、評価通知書が毎年送付されてくるはずなので、そちらに記載のある評価額で計算してみてください。
 
※の金額は基本料金です。殆どの場合はこの金額ですが、あまりに相続人が多すぎる場合は、報酬額が変わります。こういう場合は、戸籍収集後にお客様に相続人の数を報告させて頂き、報酬の見積りの変化などを報告させて頂きます。