彦根市・米原市・長浜・近江八幡・東近江エリアの相続相談 司法書士法人おうみアット法務事務所|司法書士・FP事務所
  • 面談予約はこちら
電話番号:0120-092-548 平日9時から18時(土日祝相談可 但し要予約)
ネット予約・空き状況の確認はこちら
相続ブログ

敬老の日の贈り物と一緒に考えたい。「親の認知症」に備える財産管理3つの方法

2025年09月8日

敬老の日の贈り物と一緒に考えたい。「親の認知症」に備える財産管理3つの方法

 

9月には「敬老の日」がありますね。日頃の感謝を込めて、プレゼントを贈ったり、一緒に食事をしたりと、ご両親との時間を大切に過ごされる方も多いことと思います。

素敵な贈り物を渡すのももちろん大切ですが、この機会にぜひ、もう一つ「将来の安心」というプレゼントを一緒に考えてみませんか?

厚生労働省の推計によると、2025年には65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症になると言われています。ご両親にはいつまでも元気でいてほしいと願う一方で、「もしもの時」への備えは、避けて通れない大切なテーマです。

今回は、敬老の日をきっかけに、親御さんが元気なうちにしかできない「認知症に備える財産管理」について、その必要性と主な3つの方法を分かりやすく解説します。

 

なぜ備えが必要?「認知症」で困る前に知っておきたいこと

 

「親が認知症になったら、どうなるの?」 漠然とした不安を抱えている方もいらっしゃるかもしれません。特に財産管理の面では、以下のような問題が発生する可能性があります。

  • 銀行口座が凍結されるリスク: 親御さんの判断能力が低下すると、金融機関は不正利用を防ぐために口座取引を制限することがあります。こうなると、入院費や介護費用、日々の生活費など、必要な資金を引き出すことができず、ご家族が困窮してしまう事態になりかねません。
  • 不動産が売却できない: 実家を売却して介護施設の費用にあてたい、空き家になった実家を売却したい、と思っても、名義人である親御さんに売買契約を結ぶ判断能力がなければ、手続きを進めることができません。

このような事態に陥ってからでは、対応できることが限られてしまいます。親御さんが元気で、ご自身の意思を明確に伝えられるうちに、しっかり準備をしておくことが非常に重要なのです。

 

「認知症」に備える財産管理の3つの方法

 

親御さんの財産管理に備える方法としては、主に以下の3つが挙げられます。それぞれメリット・デメリットがありますので、ご家庭の状況に合わせて検討しましょう。

 

① 遺言(遺言書)

 

  • どんな時に役立つ?: 親御さんが「亡くなった後」の財産の分け方を決めるためのものです。
  • メリット: 遺言書によって、相続人間の争いを防ぎ、親御さんの意思通りに財産を分配できます。
  • デメリット: 親御さんが生きている間の財産管理や、医療・介護に関する意思決定については、何の効力もありません。認知症になってからの財産凍結には対応できません。

 

② 成年後見制度

 

  • どんな時に役立つ?: 親御さんの判断能力が既に低下してしまった「後」に利用する、法的な制度です。
  • メリット: 家庭裁判所が選任した後見人(弁護士、司法書士、社会福祉士などの専門家や親族)が、親御さんの財産を保護し、医療・介護に関する契約などを本人に代わって行います。財産が守られ、本人の権利が侵害されることを防ぎます。
  • デメリット: 制度利用には家庭裁判所への申立てが必要で、手続きが厳格です。一度利用すると原則として本人が亡くなるまで続き、後見人への報酬も継続的に発生します。また、財産活用に制限があり、本人のためであっても、親族が自由に財産を使うことは難しくなります。

 

③ 家族信託(民事信託)

 

  • どんな時に役立つ?: 親御さんの判断能力がある「前」に、信頼できるご家族(お子様など)に財産管理を託す契約です。近年、注目が集まっています。
  • メリット:
    • 財産凍結の回避: 親御さんが認知症になっても、受託者(財産を託された家族)が信託財産(例:預金、不動産)を管理・運用できます。
    • 柔軟な財産活用: 契約内容を自由に設計できるため、「実家を売却してその資金で介護施設費用を捻出する」「アパートを建て替えて賃貸経営を続ける」といった、親御さんの想いやご家庭の事情に合わせた柔軟な財産管理・活用が可能です。
    • 二次相続以降の指定: 親御さんの死後、さらにその財産を「孫に」といった、通常の遺言ではできないような承継先まで指定できる場合があります。
  • デメリット: 契約書の作成や登記手続きなど、専門的な知識が必要です。

 

彦根市・長浜市でも相談が増えています!「家族信託」という選択肢

 

「家族信託」は、親御さんが元気なうちに、ご家族でしっかりと話し合い、契約を結んでおくことが必要です。 彦根市や長浜市など、滋賀県内でも「親の認知症に備えたい」「実家を将来どうするか心配」といったご相談で、家族信託を検討される方が増えています。

私たち司法書士は、遺言書作成や成年後見制度の申立てだけでなく、家族信託の設計・契約書作成・登記手続きまで、幅広くサポートすることが可能です。

 

まとめ:親御さんが元気なうちに、まず相談を

 

遺言、成年後見制度、家族信託。どの方法がご家族にとって最適かは、財産の内容やご希望によって異なります。大切なのは、親御さんが元気で、ご自身の意思を伝えられる「今」のうちに、ご家族で話し合い、専門家へ相談することです。

敬老の日をきっかけに、「ありがとう」の気持ちと一緒に、ご家族みんなの「将来の安心」について考えてみませんか?

司法書士法人おうみアット法務事務所では、親御さんの財産管理に関する初回のご相談は無料で承っております。彦根市・長浜市をはじめ、滋賀県の皆様のご相談に親身に寄り添います。

まずはお気軽にお問い合わせください。

この記事は司法書士が監修しています

代表司法書士 松田 勇夫
代表司法書士 松田 勇夫

登録番号 滋賀第264号、簡裁訴訟代理関係業務認定番号 第116019号、社団法人成年後見センター・リーガルサポート 会員番号 第6504452号、法テラス 民事法律扶助契約司法書士、住宅ローンアドバイザー、相続アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、家族信託専門士
滋賀県彦根で開業して20 年以上、1900 件以上の相続手続き受任実績。

彦根市・長浜市を中心に、滋賀県全域の皆様の相続手続き、相続登記、遺産分割、遺言等、相続のお悩みに寄り添い、サポートいたします。誠実かつ迅速な対応を心がけております。
司法書士プロフィール