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相続ブログ

遺産分割協議で「動産」を分けるときに気をつけたいポイント

2025年02月5日

遺産分割協議で「動産」を分けるときに気をつけたいポイント

遺産分割と聞くと、多くの方がまず不動産(家や土地)を思い浮かべるかもしれません。しかし、被相続人(亡くなった方)の財産には、自動車や貴金属、家具、家電などの「動産」も含まれます。これらの動産をどのように分割し、トラブルなく手続きを進めるかは意外と見落とされがちです。

今回は、動産の遺産分割における重要なポイントを、自動車やアクセサリーを例に挙げながらご紹介します。


1. 動産を明確に特定する必要性

民法上、「土地や建物」といった不動産以外のものはすべて動産と定義されています。自動車や貴金属、家具、家電製品などがこれに該当します。

遺産分割協議では、相続人同士で「誰がどの動産を取得するか」を明確に決める必要があり、その内容は遺産分割協議書に具体的に記載しなければなりません。

例えば、協議書に「車を取得する」とだけ記載した場合、次のような問題が発生する可能性があります。

  • 被相続人が複数の車を所有していた場合、どの車を指しているのか不明確になる
  • 車の名義変更手続きがスムーズに進まない

ポイント:具体的な動産の特定が、不必要なトラブルを防ぐ鍵となります。


2. 登録制度のある動産を分割する場合

自動車のケース
自動車は「車検証」に登録番号、車名、車体番号などの詳細情報が記載されています。遺産分割協議書には、これらの情報を正確に書き込み、誰がその自動車を相続するかを明確にしましょう。

記載例(自動車)

相続人Aは、以下の自動車を取得する。
・登録番号:〇〇-〇〇
・車名:〇〇
・型式:〇〇
・車体番号:〇〇
・用途(自家用/事業用):〇〇

また、名義変更手続きが円滑に進むように、**「他の相続人も所有権移転登録に協力する」**旨を記載しておくと良いでしょう。


3. 登録制度がない動産を分割する場合

アクセサリーや日常の家財道具などには、基本的に登録制度が存在しません。そのため、これらを遺産分割協議書に記載する場合は、可能な限り具体的な特徴を明示することが重要です。

記載例(ネックレス)

相続人Aは、以下のネックレスを取得する。
・材質:プラチナ(Pt900)
・形状:〇〇(例:ハート型)
・サイズ(長さ):〇〇cm
・重量:〇〇g
・ブランドや特徴:〇〇(例:ティファニー製、生前被相続人が愛用していたもの)

このように具体的に記載することで、後々の認識違いやトラブルを防ぐことができます。


4. 遺産分割協議書の作成と手続き上の注意点

名義変更手続きへの協力を明記

動産の取得者を決めるだけではなく、協議書に**「他の相続人も名義変更手続きに協力する」**旨を記載すると、手続きがスムーズになります。

価値の有無に関わらず動産全体を検討

自動車や貴金属のように高価なものだけでなく、家具や家電なども相続財産に含まれます。これらも**「相続人Aが家財道具一式を取得する」**などと一括で記載することができますが、重要な品物については個別に明示することで、不要な争いを避けることができます。

相続税や印紙税の確認

動産の遺産分割は、相続税の申告に影響することがあります。相続税の申告が必要な場合は、税理士などの専門家に相談して正確に進めることが重要です。


まとめ

動産の遺産分割では、不動産と同様に具体的な特定が求められます。自動車のように登録制度があるものは、その登録情報を正確に記載し、アクセサリーなど登録制度のないものは、形状・材質・サイズなどの特徴を明示することがポイントです。

相続人同士でのトラブルを避けるためにも、早い段階から遺産の整理を進め、遺産分割協議書の作成や手続きについてしっかりと準備しましょう。必要に応じて、司法書士や弁護士、税理士といった専門家に相談しながら進めることをおすすめします